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2012年12月31日(月)

スタバ波紋

多国籍企業の税逃れ

英国政府 どう対応

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 税逃れの批判を受けている米大手コーヒーチェーン、スターバックス英国法人が今月、英国の現行法の義務を超え法人税を支払う意向を表明したことは波紋を呼びました。税逃れを批判した消費者の影響力が示され、英市場でスタバと競うコスタが売り上げを伸ばしたことも注目を集めました。多国籍企業の税逃れにいかに臨むのか―。2013年には主要8カ国首脳会議(G8)議長国を務める英国は、この問題への対応が問われます。

 (ロンドン=小玉純一)


 スタバの法人税支払い表明は同時に、国際的な税規範の「恣意(しい)性、任意性」(英日曜紙オブザーバー)も示しました。

 スタバ問題の発端となった10月のロイター通信の報道は、最近3年間の売り上げ12億ポンド(約1700億円)に対する税がゼロだったことや、オランダのスタバ法人へブランド使用料を支払うなどして英国税当局には損失を報告し、投資家には利益があると報告してきたことを明らかにしました。これ以降、スタバは税務の合法性を強調し、国会の決算委員会の議員も違法性でなくモラル違反として批判しています。

 スタバは今回の表明で、これまで認められてきた知的財産権使用料の税控除などを、今後2年間求めないことで2000万ポンドを支払うとしました。これに関しては、税当局の歳入関税庁が「法人税は任意でない」と表明したものの、会計の専門家プレム・シッカ教授は英BBC放送で「税当局との密室談合」と批判しました。

 英国ではこの間、インターネット検索のグーグルやインターネット通販のアマゾンなどが英国での売り上げを他国に移して法人税を減らしてきたことも問題になっています。

 公正な税を求めるソル・ピチョオット教授は英ガーディアン紙上で「現行制度は多国籍企業を個別事業体の緩やかな連合体のように扱う」「多国籍企業はこれによって地球のあちこちに利益を移す」と指摘し、グローバルな活動を示す「単一の会計」として扱うことを主張しています。

 ロイター通信は27日、英国の大手企業の法人税収が最近12年間で21%減少し、税逃れの進展を示しているとする調査結果を発表。大企業に「思いやり」のある英当局の姿勢を伝えました。

 キャメロン首相はスタバ問題が表面化した直後、国会で「これは国際的な問題だ」と述べました。政府は主要20カ国・地域(G20)が多国籍企業に「公正に負担」させるように圧力をかける意向を11月に表明しています。


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