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2012年12月26日(水)

特別代表 シリア大統領と会談

政府軍、毒ガス爆弾使用報道

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 【カイロ=小泉大介】シリア内戦の終結を目指し、ブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表は24日、同国の首都ダマスカスでアサド大統領と会談しましたが、停戦に向けた具体的な進展はみられなかったもようです。同日には政府軍が反政府武装勢力に対し毒ガス爆弾を使用したと報じられるなど、事態はさらに悪化する兆しさえ見せています。

 ブラヒミ氏はアサド大統領との会談後の会見で、「重大な状況が続いており、すべての勢力が国民の望む解決策に向けて進むよう希望する」と表明。一方、国営通信によると、大統領は「シリアの主権と独立の保持という国民の利益にかなういかなる(国際社会の)努力も支持する」などと述べました。

 ブラヒミ氏のシリア訪問は9月の特別代表就任以来3度目。過去2回は空路入りしましたが、今回はダマスカス国際空港付近でも激しい戦闘が発生しており、隣国レバノンからの陸路を使用せざるを得ませんでした。

 北中部を中心とした反政府武装勢力の支配地域拡大に伴い、政府軍は、なりふり構わぬ攻撃に出ているもようです。23日には中西部ハマ近郊のパン屋周辺で行列をつくっていた住民が空爆され60人以上が死亡。反体制派統一組織「国民連合」は女性や子どもを含む民間人を狙った大量虐殺だと激しく非難しました。

 英国に拠点を置く「シリア人権監視団」によると、中西部ホムスで23日夜、政府軍が投下した有毒ガスを含んだ爆弾により反体制派武装勢力6人が死亡しました。爆弾の投下場所では無臭の白い煙が上がり、それを吸い込んだ人は吐き気やけいれんを起こしたとされます。

 今回の爆弾はいわゆる「化学兵器」とは断定されていませんが、アサド政権が同兵器を使用することへの懸念が国際社会で高まっています。

 アサド政権の後ろ盾とされるロシアのラブロフ外相も24日放映の地元テレビで、「化学兵器使用はアサド政権の政治的な自殺となる」と述べ、使用した場合は同政権との関係を清算する可能性を示唆しました。


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