2012年12月20日(木)
ちひろの原画発見
長野県塩尻市 児童館へ71年贈呈
絵本画家・いわさきちひろ(1918〜74年。46年、日本共産党に入党)の原画1点が長野県塩尻市内で発見されました。安曇野ちひろ美術館(長野県松川村)が19日明らかにしました。
作品は、ちひろが71年に塩尻市児童館(当時)に贈呈したものです。子どもの顔で、縦35センチ、横24センチのオリーブグリーンを基調にしたパステル画です。額裏には自筆で「贈呈 塩尻市児童館 1971年4月16日 いわさきちひろ」とあります。
ちひろは70年以降、「となりにきたこ」(70年)、「戦火のなかの子どもたち」(73年)などの代表作を次々に描きました。同館の竹迫祐子副館長は「発見された作品はその時代の作品の一点でしょう」と語りました。
市児童館は2000年に取り壊されましたが、作品は01年に開所した保健福祉センターの壁に掛けられ、市民や職員が鑑賞できるようにしていました。昨年秋に作品を発見した市職員が今年10月、同美術館に調査を依頼していました。
同美術館の竹迫副館長と宍倉惠美子学芸員が19日、小口利幸市長を訪ねて調査結果を報告し、作品を返却しました。
竹迫副館長は「たくさんの子どもたちに見てもらいたい。ぜひ作品を展示していただきたい」と要望。小口市長は「当然そうしたいと思います。ちひろは人気のある画家で、県民の誇りです」と語りました。