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2012年12月19日(水)

主張

民意のゆがみ

選挙制度の抜本改革は急務

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 総選挙の結果「大勝」した自民党の議席は、1人1区の小選挙区では4割台の得票で8割の議席を独占するという、きわめていびつなものです。得票に応じて議席を配分する比例代表では3割台の議席しか獲得していないのに、小選挙区では8割の議席を占めているというのも、民意のゆがみを象徴しています。

 選挙制度は本来、国民の意思が議席に正しく反映するのが原則です。民意をゆがめる小選挙区制を廃止し、選挙制度を抜本改革するのは待ったなしです。

大政党の“独り勝ち”に

 小選挙区制は得票が1票でも多ければその選挙区の議席が獲得できるため、大政党に有利になる弊害は、これまでもしばしば指摘されてきました。今回は自民党が4割台(43%)の得票で8割(79%)の議席を独占しましたが、前回選挙では民主党が4割台の得票で7割を超す議席を占めていました。大政党の“独り勝ち”は、小選挙区制のもともとの欠陥です。

 大政党に有利な半面、小選挙区は大政党以外を議席から締め出し、議席に結びつかない大量の「死に票」を生みます。今回の選挙でも、自民党と民主党以外の党が小選挙区で獲得した議席は全体の1割をわずかに超すだけで、小選挙区選挙で投票された約5962万票のうち、議席に結びつかなかった「死に票」は53%にものぼります。299の小選挙区に立候補した日本共産党は、470万票得票したのに、1人も当選しません。小選挙区は民意を締め出す制度であり、国民の投票の権利に照らしても致命的な欠陥を持ちます。

 1990年代にそれまでの中選挙区制に代えて小選挙区制を導入した際、盛んに「政権交代」が実現可能な制度であることが宣伝されました。しかし、小選挙区制は得票がわずかに移動しただけでも、議席が大幅に変動する不安定な制度です。実際、今回の自民党の得票や獲得議席も、自民党が大敗した前回の総選挙に比べ得票数は200万票も少ないのに、民主党の不振と低投票率で得票率が39%から43%に上がったため、議席は4倍にも増えています。本来政権交代は民意を正確に反映してこそ行われるべきで、選挙制度を使って人為的に政権交代を実現しようとすること自体、本末転倒です。

 小選挙区制の欠陥があまりに明らかなので、制度導入の際の議論では、小選挙区制の議席は全体の半分にとどめ、残りは比例代表で選ぶはずでした。ところが大政党の談合で成立したさい、小選挙区300、比例200とされ、その後比例の定数が20削減されたため、ひずみがますます激しくなっています。民主党などが比例代表の定数をさらに減らそうというのは、大政党の横暴そのものです。

「1票の格差」是正にも

 小選挙区制は全国を300の選挙区に細分化するため、人口の移動にともない絶えず「1票の格差」が生まれるという欠陥も持っています。最高裁から「違憲状態」と指摘されていた今回の総選挙でも、小選挙区単位の有権者の数が最も少ない高知3区に対し千葉4区での格差は2・4倍に達しています。

 「1票の格差」を是正し、選挙権の平等を保障するためにも、得票が議席にそのまま反映する比例代表を中心に選挙制度を抜本改革することが不可欠です。


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