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2012年12月16日(日)

米小学校 乱射26人死亡

容疑の20歳自殺 児童20人犠牲

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 【ワシントン=小林俊哉】米東部コネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で14日、男が銃を乱射し児童20人を含む26人が死亡、銃を乱射した男も死亡しました。今年7月に西部コロラド州で12人が殺害された乱射事件を上回る惨事です。

 米メディアによると、男は20歳で、同日午前、銃4丁と防弾チョッキを身につけ、母親が教師を務める小学校に侵入。児童18人、成人6人が死亡しました。男は自殺したとされます。病院に運ばれた児童2人も、のちに死亡が確認されました。男は小学校に乱入する前、自宅で母親を銃殺したとも伝えられます。

 米社会では銃乱射事件が後を絶ちません。学校の敷地内での乱射事件も続いており、今回の事件は、2007年に南部バージニア州のバージニア工科大学で学生が32人を殺害した事件に続き、最悪の惨事となりました。幼い児童多数が犠牲となっただけに、米社会にも深刻な衝撃を与えています。

 事件のたびに、銃規制の強化を求める声が上がるものの、米政界は重い腰をあげないままです。背景には、銃規制に反対する圧力団体の強い影響力があるともいわれます。

 オバマ大統領は同日、事件を受け、ホワイトハウスで記者会見し、遺族に哀悼の意を表明。「過去、数年の間だけでも、多すぎるほどのこうした悲劇にわれわれは耐え忍んできた」と述べ、「政治(的立場)はどうあれ、われわれは協力し、このような悲劇を防ぐための意味のある対策をとらなければならない」と強調しました。

解説

米小学校乱射

銃規制の遅れ深刻

求められる実効ある対策

 米コネティカット州ニュータウンの小学校での銃乱射事件は、米国社会に銃規制が進んでいない現実があり、“凶器”である銃の所持者が暴走した場合の被害の大きさを改めて示しました。

 米国で民間に保有・流通されている銃は3億丁前後に上るといわれます。人口1人あたり1丁、一家庭では複数丁ある計算です。

 銃乱射事件で多くの犠牲者が出るたびに、銃規制の強化が政策課題として上ります。しかし、有力な圧力団体である全米ライフル協会(NRA)が強く反対し、法規制の強化は遅々として進みません。

 先の大統領選挙でも、銃規制問題は争点としては浮上しませんでした。

 一般市民による銃の購入も犯罪歴がなければ難しいものではありません。

 米憲法の修正第2条は「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」と定めています。

 この条項の解釈をめぐり、個人による銃所有を認めたものであるのか否か、銃規制の賛否両派による議論が続いています。

 しかし、開拓時代から続く、銃で武装し、自身の身体・財産を守るという米国の「銃社会」が、多くの罪のない市民や幼い子どもたちの命を奪う凶行の背景になっていることは事実です。

 オバマ大統領は今回の事件後、「再発防止に向け、意味のある行動を取る」と述べました。今度こそ真に実効ある対策が早急に求められていると言えます。(西村央)


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