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2012年12月14日(金)

主張

原発と「活断層」

「即時原発ゼロ」は待ったなし

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 電力会社いいなりで国民の安全を無視して原発を推進してきた自民党も、福島原発事故の後も撤退を求める国民世論に背を向けて原発の再稼働などを進めてきた民主党も、その責任がきびしく問われているのは明白です。

 原子力規制委員会の専門家チームが日本原子力発電敦賀原発(福井県)の2号機の直下を走る破砕帯(断層)が地震を引き起こす「活断層」の可能性が高いと発表したことです。規制委は近く再稼働を認めないと正式決定する運びです。有数の地震国・日本で原発からの撤退を決断し、「即時ゼロ」を実現するのは待ったなしです。

重要施設はつくれない

 国が原発建設にあたって示している手引で、建屋など原発の重要施設は「活断層」の上につくることはできません。「活断層」が動けば重要施設が破壊され、取り返しのつかない原発事故を引き起こす可能性が高いからです。

 世界有数の地震国・日本には、それこそ無数といえるほど「活断層」があります。これまでは破砕層(断層)があっても「活断層」かどうかわからないとされてきたこともありましたが、東日本大震災の後、これまで「活断層」ではないといわれた断層も動いたことが明らかになり、全国の原発でも見直しが進んでいます。敦賀原発のほか、関西電力大飯原発(福井県)でも「活断層」の疑いがもたれている断層が見つかり、東北電力東通原発(青森県)や北陸電力志賀原発(石川県)などについても調査中です。これまで12万〜13万年以内に動いたことが確認できるとされてきた「活断層」の定義も、より古い40万年前までさかのぼるべきだと見直されています。

 40年以上前に1号機が稼働した日本でもっとも古い原発のひとつである敦賀原発の場合も、1、2号機から約200メートルしかない浦底断層の「活断層」としての危険性が以前から指摘されていました。今回の専門家チームの結論は、浦底断層から何本も枝分かれした断層のうち2号機の真下を走るD―1破砕帯について「活断層」の可能性が高いと認めたものです。敦賀原発は現在停止中ですが、再稼働が認められないのはもちろん、直ちに廃炉を実行して当然です。

 日本原電は、浦底断層が「活断層」だとはなかなか認めなかっただけでなく、「活断層」と認めてからも原発の運転を続けてきました。今回の専門家チームの結論に対しても、「調査中」を理由に「活断層」とは認めず、規制委に質問書を提出するなど従おうとはしていません。「活断層」の可能性が高いと指摘された以上、廃炉にすべきなのに、あれこれの理由をつけて引き延ばそうとするのは言語道断であり、それこそ住民の命や安全より、企業の経営を優先する立場です。

国民の安全守るなら

 日本原電は、東電や関電が出資した、原発建設のための会社です。文字通り「原子力ムラ」の企業のいいなりに、危険な原発の建設や運転を認めてきた歴代自民党政府の責任は重大です。同時に、福島原発事故後も大飯原発3、4号機の再稼働を認め、規制委の調査で「活断層」の疑いが明らかになっても運転継続を認めている民主党政権の責任は重大です。

 国民の命と安全を守るなら、「即時原発ゼロ」を実行するかどうかが、いよいよ問われる事態です。


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