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2012年12月12日(水)

“内需拡大 賃上げで”

東南アジア各国 年明け実施

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 【ハノイ=面川誠】東南アジア各国が来年1月から最低賃金を大幅に引き上げます。経済成長の恩恵を国民に行き渡らせて、内需を拡大することが主な目的。東南アジア諸国連合(ASEAN)が進める経済統合にとっても賃上げは欠かせないとの声が出ています。


 タイは、これまで地域ごとに異なっていた最賃を全国一律で日額300バーツ(約800円)に引き上げます。地域によっては約40%の増額になります。

購買力向上を

 キティラット副首相兼財務相は先週の記者会見で、「タイは良質の製品をたくさん製造しているのに、タイ国民が買えないのは恥ずべきことだ。購買力向上は製造、販売の増加にもなる」と述べました。

 インドネシアでも首都ジャカルタ当局が月額153万ルピア(約1万3100円)から220万ルピア(約1万8800円)へ約44%引き上げを決定。各地で検討中の引き上げ案が決まれば、全国平均で約50%の引き上げになる可能性があります。

 英金融大手HSBCのリム氏はロイター通信に、「外資には低賃金よりも潜在的市場の大きさが魅力だ」と述べ、“賃上げで外資が逃げる”という懸念を否定しました。

 外資大手ではトヨタグループが今後5年で約13兆ルピア(約1100億円)を投資するほか、ドイツのBMW、米国のフォードやゼネラル・モーターズも投資増の計画を変えていません。

 ベトナムは経済発展の進んだハノイなど「第1種地域」で月額200万ドン(約7900円)から235万ドン(約9300円)に引き上げるなど、16・1%から18%の引き上げを実施します。

 マレーシアでは最賃制度が初めて導入され、マレー半島部で月額900リンギ(約2万4300円)、ボルネオ島北部で同800リンギ(約2万1600円)になります。労働人口の約3割の給与は貧困ラインの763リンギ(2万600円)を下回っているといいます。

IMFも擁護

 1997年のアジア通貨危機の際、賃金抑制など国民生活へのしわ寄せ政策を強要した国際通貨基金(IMF)も最賃引き上げを擁護しています。IMFのラガルド専務理事は先月、マレーシアの首都クアラルンプールで講演し、「アジアでは貧しい人々の最低賃金を引き上げる必要がある」と述べました。

 ラガルド氏はASEAN共同体創設へ期待を表明するとともに、「統合されていく世界では、しばしば国民が忘れ去られる」と指摘。「成長の恩恵をすべての人々に行き渡らせ、弱者を保護することがいっそう重要になる」と強調しました。

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