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2012年12月6日(木)

「即時ゼロ」こそ一番の選択

「原発なくせ」実現するには

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 今回の総選挙は、福島第1原発事故から初めての国政選挙。原発・エネルギー政策で各党の姿勢が問われています。自民や維新など原発推進派は「いますぐ原発ゼロは無責任」などと宣伝していますが、「即時ゼロ」こそ、最も現実的で、一番責任があり、実現可能なものであることがこの間の論戦から浮き彫りとなっています。


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(写真)原発反対官邸前抗議行動で、「今すぐ原発ゼロ」「選挙で即原発ゼロの党を」などを掲げる参加者=11月23日、東京都千代田区

最も現実的 止めたまま廃炉に

 現在、日本の原発は関西電力大飯原発を除いてすべて停止しています。危険な原発の再稼働はやめて、止めたまま廃炉に向かうのが一番現実的な方策です。

 「10年後」「20年後」「30年後」「40年後」にゼロにするという政党もあります。しかし、これでは結局、再稼働をすることになってしまいます。

 そもそも原発を再稼働する条件そのものがありません。野田内閣が無責任な「暫定」の安全基準を使って再稼働を強行した大飯原発でも、その直下に危険な活断層が存在する可能性が高まっています。

 原子力規制委員会の現地調査では、メンバー全員が「活断層である可能性を否定できない」と一致。活断層であれば「立地不適格」で、廃炉しかありません。大飯原発以外でも活断層の疑いが次々と指摘されています。

 再稼働を判断する新しい安全基準も確立していません。原子力規制委員会が安全基準を見直していますが、膨大な時間がかかるうえ、現在の知見では絶対安全といえる基準などありえません。

 福島と同様の過酷事故を想定すると「すべての原発が審査指針に不適合になる」ことも日本共産党の追及で明らかになりました(11月7日、吉井英勝衆院議員)。田中俊一原子力規制委員長は「一般論としてはご指摘のとおり」と認めざるをえませんでした。

 東日本大震災によって地震と津波の学問的知見の根本的見直しも迫られており、日本全国どの原発も動かせないことは明らかです。

責任ある道 再稼働はしない

 原発を再稼働しないことが一番責任ある方針です。原発稼働を続けるかぎり、福島のような大事故を防ぐことができないからです。

 原子力委員会は、日本にある原発を動かした際、福島事故と同様の過酷事故が起こる頻度を「10年に1回」と試算。福島原発事故の発生で、政府も「原発に絶対安全は存在しない」と認めざるを得なくなりました。

 原発事故は、ひとたび放射性物質が大量に放出されると、その被害は空間的にも、時間的にも、社会的にも限定なしに広がり続け、人類はそれを防止する手段をもっていません。

 甚大な被害を引き起こす原発事故の責任は、誰も取れません。危険きわまりないものを動かすほど、無責任な政治はありません。

 また、原発稼働を続けるかぎり、使用済み核燃料(核のゴミ)も出続けます。しかし、人類には使用済み核燃料を安全に処理する技術はありません。

 すでに日本の原発からは2万4000トンもの使用済み核燃料がつくりだされており、貯蔵しているプールは数年で満杯になります。危険な遺産を増やし続け、将来世代に押し付けることは許されません。

実現は可能 原発こそ高コスト

 「即時ゼロ」は、実現可能です。

 野田佳彦首相は「エネルギーの3割近くを原発に依存していたことを考えるとすぐにゼロにはできない」と再稼働を正当化しています。

 しかし猛暑の今夏、関西電力は大飯原発を再稼働しなくても政府が最低限必要とした3%を超える余裕があったという試算を明らかにし、再稼働が必要なかったことを認めました。原発なしでも混乱など起きないことは事実が証明しています。

 しかも、再生可能エネルギーの導入可能量は20億キロワット以上、原発54基の発電能力の約40倍もあります。

 ドイツは2000年に本格導入を始めましたが、再生可能エネルギーによる発電量が2011年には導入前(1999年)の4・1倍に拡大し、原発発電量を上回りました。

 日本共産党は、5〜10年を「過渡的な緊急避難」として火力で電源確保を図りつつ、その間に再生可能エネルギーと低エネルギー社会への移行をはかることを提起しています。

 「原発ゼロで電気料金が高騰する」という脅しも出ています。

 しかし、国立環境研究所の試算ではゼロでも20〜25%でも月額1万4千円と変わりません。再生可能エネルギーは普及が進むほどコストは大幅に低下するからです。雇用効果も再生可能エネルギーのほうが圧倒的に高く、ドイツでは原発関連の雇用は3万人に対して、再生可能エネルギー関連は38万人です。

 そもそも原発こそ本質的に高コストであることは今回の大事故でも明らかです。賠償や除染、燃料の管理などにばく大な費用がかかっているからです。

■筋金入りの党

 日本共産党は、にわかに反対と言い出した政党とは違う歴史の重みを持っています。約60年前、アメリカから原発が輸入された最初の段階から危険性を告発し、住民とともに反対してきました。こういう歴史を持つ筋金入りの政党が伸びてこそ、「原発ゼロ」の願いを実現する確かな力になります。

「赤旗」紙上の著名人の発言から

私も賛成です

“もうけでなく命優先を”

 「即時原発ゼロ」は党派を超えた願いです。「赤旗」紙上に登場した著名人の発言から―。

 【日本環境学会会長和田武さん】 「日本には原子力に代わる再生可能エネルギー資源が豊富にあります。市民、自治体などのあらゆる地域主体が取り組めば、飛躍的にその普及が進み、環境保全、産業発展、農山漁村地域の活性化などをもたらし、民主的で持続可能な社会を実現できます」

 【翻訳家池田香代子さん】 「『即時原発ゼロ』の提言は、私も基本的に賛成です。原発から自然エネルギーへの転換は、大企業にはダメージですが、地域の中小零細企業には新しい可能性が広がります。雇用も増え、健やかな社会を発展させていくことが期待できます」

 【本山修験宗管長・聖護院門跡門主宮城泰年さん】 「人間はもちろん、動植物も大地も、地球もすべて命をもって生きています。その生きとし生けるものと原発は共存できません。子々孫々に至るまで考え、政治家は、『もうけ』に加担するのではなく、命を優先して決断することが必要です」

 【静岡県湖西市長三上元さん】 「共産党の『提言』のいうように原発を即時ゼロにしても問題ないと思います。今年の夏も大飯原発を再稼働しなくても電力は足りたのですから。原発はコストが安いというのも間違い。事故対応、廃炉、10万年にも及ぶ放射性廃棄物の管理を考えれば、原発のコストは高いのです」


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