2012年11月28日(水)
活断層の疑い高い
科学者会議支部など 周辺断層を調査
志賀原発
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石川県志賀町の北陸電力志賀原子力発電所の北約9キロ付近に想定されている「富来(とぎ)川南岸断層」について、日本科学者会議石川支部、原発問題住民運動石川県連絡センターなど4団体は26、27の両日、同町内で調査しました。7月と10月に続いて3回目。
同断層は、原発の耐震安全性を検討する際に考慮が必要な13万〜12万年前までに動いた活断層の可能性が高いと、渡辺満久東洋大教授らが指摘する一方、北陸電力側は活断層の可能性を否定。4団体が新潟大学名誉教授(地質学)の立石雅昭氏とともに調査活動を続けています。
今回の調査では、志賀町の厳門(がんもん)と富来七海地区などの標高30〜40メートル地点で斜面から海の堆積物とみられる砂の土壌サンプルを採取。詳細な分析を進め、構成物などから砂が堆積した当時の状況を推測します。
現地調査を終えた立石氏は「13万〜12万年前の海面の高さはせいぜい5メートル。30メートル以上の地点でそれが見られるというのは大きな地殻変動があった証拠だ」と指摘。「これまでの数地点の調査結果も勘案すると断層の北と南で極端な高度差が認められ、活断層の存在が強く疑われる」としています。
調査はこれまでにも、志賀原発の北約5キロで周辺地形の著しい隆起が見られるなどの結果が出ており、4団体と立石氏は「今回のサンプルの分析も早急にまとめ、調査結果を発表したい」としています。