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2012年11月27日(火)

独立支持4党が多数

スペイン カタルーニャ州選挙

住民投票めぐり中央政府と対立

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 【ロンドン=小玉純一】スペインのカタルーニャ自治州は25日、州議会選挙(定数135)を実施し、州の独立の是非を問う住民投票実施を主張する独立支持の4政党が議会多数を占めました。中央政府は同住民投票を憲法違反としており、今後の展開は不透明です。

 開票率95%の時点で、同州のマス首相率いる民族独立派「カタルーニャ集中と統一(CiU)」が50議席(改選比、12減)、分離・独立を求めるカタルーニャ左翼共和党が倍増の21議席(同11増)。ほかに住民投票を支持する二つの小政党も合わせて10議席以上獲得。独立派で過半数を大きく上回っています。

 独立反対の国民党や社会労働党は議席を減らす見込み。

 カタルーニャ州は人口750万人。スペイン17州のうち、最大の経済規模(国内総生産の2割、ポルトガルに匹敵)を占める一方、最大の公的債務を抱えます。州政府は中央政府に対し、8月に50億ユーロ(1ユーロ=約106円)支援を、9月に課税権の州への委譲を求めました。中央政府が課税権委譲を拒否したのを受け、州選挙を2年前倒しで実施に踏み切りました。

 選挙戦は、公的債務危機のもと緊縮策を強める中央政府への不満と、9月に150万人集会を開催するなど独立を求める機運の強まりのもとでたたかわれました。バルセロナからの報道は、独立機運の背景として、中央政府への納税が地域に還元されていないことへの不満を指摘しています。

 このもとでマス首相のCiUは自治権強化から独立へ路線を変え、4年以内の住民投票実施を掲げて選挙戦をたたかいました。議席を減らした事情について、州内の失業率が22・6%に達する景気低迷への不満が自治州の現政権に向けられたことや、右派メディアが汚職疑惑を流したことなどが指摘されています。

 その分を同じ独立派でも左派の左翼共和党が吸収し議席を倍増。同党は、CiUに対し、州政府の緊縮策の緩和を強く求めるもようです。


 カタルーニャ自治州 スペイン第2の都市バルセロナを州都とする自治州で、主要産業は工業、金融業、観光業などです。標準的なスペイン語とは異なるカタルーニャ語も同州の公用語。フランコ将軍の独裁政権下(1935〜75年)などで中央政府はカタルーニャ語とカタルーニャ文化を禁止・迫害の対象としたこともあり、同州はスペイン国内でも歴史的に独立機運の高い地域の一つです。

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