2012年11月24日(土)
抗がん剤治療を検討
医薬シンポ イレッサ不当判決批判
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第21回「国民の医薬シンポジウム」(同実行委員会主催)が23日、東京都内で開かれ、がんの薬物療法について、医師、患者、薬剤師、看護師、法律家らが、抗がん剤の使われ方や有効性、副作用、緩和ケアなど批判的、科学的に検討しました。約80人が参加。
先端医療振興財団臨床研究情報センター長の福島雅典・京都大学名誉教授が講演。「がん治療を35年間、専門にしてきた。がんの制圧はできる。それは薬物に頼るのではない。予防と早期発見がカギを握る」とのべました。
また福島氏は、肺がん治療薬イレッサについて海外から重篤な副作用が報告されていたのに、日本で承認したことを鋭く告発。副作用で大量の死亡者を出したメーカーや国、学会関係者の「人間性が問われる」と指摘しました。
立命館大学法科大学院の吉村良一教授が記念講演。イレッサの副作用で死亡した遺族らが国とアストラゼネカ社を訴えた裁判で、原告を敗訴させた東京・大阪両高裁の判決について、その不当性を「副作用に関する指示・警告が不適切」という観点から、製造物責任法をもとに批判しました。
薬害イレッサ東日本訴訟弁護団の阿部哲二事務局長が「抗がん剤副作用被害救済制度」の創設を提起しました。