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2012年11月11日(日)

緊迫 解散・総選挙情勢

「TPP解散」で増税争点外し

民自公体制 再構築の狙いも

記者座談会

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 年内か年明けか、解散・総選挙の可能性がきわめて濃厚になってきました。永田町がにわかに緊張してきました。担当記者で話しました。

一挙に選挙本番

  9日夜、神奈川県相模原市の小田急・相模大野駅前で岡田克也副総理が街頭演説にたった。「近いうちに、近いうちに選挙がある。そんなに先でないことは間違いない。失敗はあっても民主党にもう一回託して」と総選挙本番なみの調子だった。

  民主党の大阪府選出議員は電話で選挙事務所を明日までに確保しておけと地元事務所に指示していた。

  自民党閣僚経験者の政策秘書は朝8時に国会の事務所を出た。その通りになるかどうかはわからないが、22日解散、12月4日公示、同16日投票日と印刷した政治日程表をカバンに入れて、選挙資金集めのため、東京都内の企業回り。戻ってきたのは日が暮れてからだった。

  同日朝、年内・年明け解散の空気が突風のように永田町を駆け抜け、政界は解散・総選挙ムードに染まった。

 NHK、「読売」、「日経」、「産経」、共同通信など主要メディアがそろってトップニュースで年内解散の可能性を報じたためだ。「朝日」、「毎日」も10日付朝刊で続いた。解散権を握る野田佳彦首相や周辺から報道を積極的に打ち消す発言はなかった。

  野田政権を包む政治環境は日に日に悪化していた。ここにいたって首相が解散の条件に挙げていた公債特例法案が自公両党の協力を得て成立のめどがついたこと、消費税増税法案の成立と引き換えに「近いうちに」民意を問うとした首相に約束違反の批判が強まっていること、主要メディアで野田内閣支持率が10%台に落ち込むなど政権維持に行き詰まってきたこと、などの事態の変化があった。

  一連の事態をうけて日本共産党は9日の常任幹部会で政治情勢を検討し「年内・年明けの解散総選挙がきわめて濃厚に ただちに臨戦態勢をとり日本共産党躍進の波をいそいでおこそう」との緊急声明を出した。これからできる新党を含め15を超す政党がしのぎを削る戦後の歴史にないほど激烈な短期決戦に事実上、突入した。

党内は荒れ模様

  報道では野田首相は環太平洋連携協定(TPP)加盟交渉への正式参加を争点にするとの観測だが、その点はまだ流動的だ。主要メディアはTPP参加に賛成の論調に立っている。そのメディア主導で「TPP解散」がいっせいに打ち出されている状況に違和感がある。

  消費税増税の実施前に民意を問うといっていたのは野田首相本人だ。解散を打つなら、まず最大の争点は消費税増税を国民に問うべき争点に据えるべきだ。原発ゼロの実現も大きな問題だ。もちろん、TPPは農林水産業、医療、保険など国民生活と日本経済全般に打撃をもたらす。総選挙を通じて国民は参加反対の意思を示すべき問題だ。

  早期解散の動きに弾(はず)みをつけたのは国会運営で自公両党が野田民主党へ協力姿勢に転じたことがきっかけだ。「読売」10日付社説は「民自公路線が、この局面で復活した意義は大きい」と持ち上げた。

  だから民主党内が荒れ模様だ。野田首相の手による年内・年明け解散が、民自公3党体制の再構築と表裏一体の狙いが込められていると民主党の一部は受けとめている。「消費税増税、原発ゼロからの後退、TPP推進という自民党化で国民に見離されて、一桁台の政党支持率に落ち込んだ。総選挙後も自民党と一緒というのでは、どだい選挙にならない」というわけだ。

  週末、それぞれの選挙区に帰った民主党議員同士が携帯電話で離党を相談し合っているという話を聞いた。

  週明けには、この臨時国会ではじめて衆院予算委員会が開かれる。消費税増税・福祉削減、原発温存、TPP推進の民自公3党体制を正面からただす日本共産党の論戦が注目される。


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