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2012年11月11日(日)

政治考

原発反対は「情緒」 消費税は「11%」 TPPは「参加」

中身同じで「第三極」?

古い政治の「対極」は共産党

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 橋下徹大阪市長が率いる「日本維新の会」、石原慎太郎前都知事の“新党”の母体とされる「たちあがれ日本」、渡辺喜美代表のみんなの党…。いま、「第三極」を名乗る勢力が、連携をにらんで合流・政策協議をめまぐるしく行っています。果たして、民主党や自民党・公明党と対峙(たいじ)する「極」を名乗る資格はあるのか―。(政党取材班)


 「いまのところは最大公約数で進めるということでニコニコしているが、具体的なテーマになったら、憲法問題やTPP(環太平洋連携協定)の考え方をみても、支離滅裂になってしまう。大筋で合っていればいいという石原氏に乗れば、節操のない野合だ」

 「第三極」勢力に属するある国会議員ははき捨てるようにのべました。

 「政策の一致、価値観の一致がないと有権者にそっぽを向かれる」。石原氏の都知事辞意表明直後(10月25日)、こうのべていた橋下氏も「僕と石原さんだって個人的にいろいろ話をしながら、近づいてきている」「政策、理念、価値観の一致といっても何から何まで最初に全部合意なんてできない」(8日)と変化。「(石原新党が)消費増税をそのまま容認するなら話にならない」と突っ張っていた渡辺氏も、8日には満面の笑みで石原氏と握手し、政策協議入りを確認しました。

 橋下氏が「第三極のボス」ともちあげる石原氏は「なんで大連合を考えないんだ」「原発をどうするとか消費税をどうするとか、ある意味ささいな問題だ」(10月26日)と主張。それに「乗った」形です。

 重要政策の「一致」が「ささいな問題」扱いされるのは、「維新」も「たちあがれ」も「みんな」も、自民党や民主党と同じ「古い政治」の仲間だという実態があります。

 石原氏が「センチメント(情緒)で原発反対をいうのは簡単なことだけど、恐ろしいこと。消費税反対もそう」(10月30日)といえば、橋下氏は「感情的に(原発)ゼロといっても責任ある行政にはなりませんから。合理的な選択であれば納得してもらえる」(5日)と迎合。消費税の地方税化でも、橋下氏は「消費税を11%にすれば5%が地方それぞれの独自財源、残りの6%が国全体の財政調整弁」(10月30日)と、増税を前提にしたものであることを認めました。

 違いが大きいとされるTPPについても、「TPPの交渉参加も石原さんは認めてくれています」(橋下氏、5日)と、日本の経済主権をアメリカに売り渡すTPP推進の立場を鮮明にしています。「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表は「参院で統一会派を作っている自民党と組む選択肢もある」(「産経」9日付)と自民党との連携を口にしています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、8日の記者会見で「第三極勢力」の動きについて「(自民、民主と同じ)『古い極』のなかの主導権争いにすぎません」と指摘したうえで、こうのべました。

 「日本共産党は『アメリカいいなり』『財界中心』という古い政治の一番の害悪をもとから断ち切る改革に取り組む立場です。その点で、古い政治に対する『対極』を国民とともに堂々とすすんでいるのが日本共産党です」

「第三極」 人脈も「古い政治」

自民党政治の権化ズラリ

密室協議で主導権争い

 「第三極」が、自民党や民主党などと同じ「古い政治」の仲間だということは、人脈のうえでも明らかです。

 「日本維新の会」は、小泉「構造改革」を推進し、貧困と格差をひろげた竹中平蔵元金融相を候補者選定委員長にすえ、一時は安倍晋三自民党総裁を「維新」の「党首」にあおごうと画策したこともありました。そして、橋下徹代表はいま「第三極のボスは石原さん」ともちあげます。いずれも自民党政治の権化のような人物ばかり。

閣僚経験者も

 「たちあがれ日本」は、“靖国派”の総本山・日本会議を構成する日本会議国会議員懇談会の3代目会長・平沼赳夫氏が代表。郵政民営化の際、自民党を脱落した人物ばかりで構成されています。みんなの党の渡辺喜美代表も、自公政権の閣僚経験者。父親は石原氏とタカ派集団「青嵐会」を結成した同志でした。

 しかも、「第三極」の連携協議はすべて密室の中。京都市や都内のホテルや国会議員会館など場所は変われど、報道陣もシャットアウトです。自民党“全盛期”の「料亭政治」をほうふつとさせるほど。

だれが握っても

 一方で激しくなっているのは、主導権争い。一般紙も「維新 主導権狙い強気」(「読売」10日付)、「第三極の主導権争いが激しくなりそう」(「毎日」同)などと報じるほど。

 橋下氏は「石原さんの力は借りたいが、『たちあがれ』のメンバーの力は必要ない」「物事をどう解決するかの考えがなく思考停止」(1日)などと「たちあがれ」をガラクタ扱い。その後も、「維新」側の国会議員数が多いことを念頭に、「どれだけ考え方が違っても多数決で決まったことには従おうということには賛同してくれた」(5日)と合流しても、主導権を握る考えを強調しました。

 これに対して、平沼氏は「『維新八策』をみると国家観がない」と批判しつつ、「最後は落ち着くところで大渦になる」(「産経」9日付)とじっと我慢の様子。みんなの党は、「維新」が協議中にもかかわらず、各県の衆院1区に擁立方針だと報じられたことで焦りを強めているとされます。

 だれが主導権を握っても、アメリカいいなり・財界中心の「古い政治」の枠内にいるのは間違いありません。


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