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2012年11月10日(土)

オバマ氏再選

野田政権 同盟強化に加速

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 オバマ米大統領の再選を受け、行方が注目される日米同盟―。野田政権は早速、日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定を目指すなど、同盟強化に向けた動きを加速させようとしています。(榎本好孝)


「軍事協力」再改定協議へ/TPP交渉参加の意向

 野田佳彦首相は8日の衆院本会議で、オバマ氏再選に関し、「日米同盟はわが国の外交・安全保障の基軸」だと述べ、「引き続き大統領との間で日米同盟を発展させていく考えだ」と強調しました。同盟強化を再確認するため、18日からカンボジアで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議を利用し、日米首脳会談を行うことも模索しています。

 首脳会談を前に9日には長島昭久防衛副大臣が訪米。カーター国防副長官らと日米同盟にかかわる広範な問題を協議します。

 日米同盟の強化で焦点の一つになっているのが、自衛隊と米軍の有事協力などを定めた日米軍事協力の指針の再改定です。

 1997年に改定されたガイドラインは、「日本防衛」と関係ない「周辺事態」で自衛隊の米軍への後方支援や、米軍による民間空港・港湾などの軍事利用を定めています。

 森本敏防衛相は9日の記者会見で、中国の海洋進出などを挙げ、米国のアジア太平洋重視戦略を基礎に、現行ガイドラインの再改定作業を進めると表明。年内にも事務レベル協議を開始する考えを明らかにしました。

 森本防衛相はまた、再改定の内容について「今の憲法の範囲の中」としつつ、「将来の日本の政治の状況次第で、(ガイドライン再改定を受けて)国内法を整備する際、集団的自衛権の問題をどのように扱っていくかが政治課題になることは考えられる」と述べ、海外で日米共同の武力行使に乗り出す仕組みづくりにつながる可能性を認めました。

 一方、沖縄の米軍基地問題では、欠陥機オスプレイの配備強行や相次ぐ米兵犯罪に県民の怒りが沸騰。「沖縄の全基地閉鎖を」という声が広がり、日米同盟、日米安保の是非そのものが問われる状況が生まれています。

 玄葉光一郎外相は7日の記者会見で、米軍嘉手納基地以南の基地用地の返還、グアムなどへの海兵隊移転について「スケジュールに沿ってしっかり行っていきたい」とし、沖縄の「負担軽減」に取り組む姿勢を強調。嘉手納以南の土地返還に関する計画は年内に策定することになっています。しかし、こうした米軍再編はこれまでまったく進展せず、破綻に直面しているのが現状です。

 オバマ氏再選で改めて焦点になるものとして、日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題があります。

 オバマ氏はTPP推進が方針。経団連の米倉弘昌会長はオバマ氏再選に関するコメント(7日)で「日本のTPP交渉参加への支持を期待する」と、米国の対日圧力を後押ししました。野田首相は交渉参加の意向を固めたと報じられており、18日からのASEAN関連首脳会議の際の日米首脳会談で伝達する危険もあります。

 年内もしくは年明けの解散・総選挙の可能性も高まっており、日米同盟の強化やTPP交渉参加を許すかどうかは国民の審判に大きくかかっています。


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