「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年11月7日(水)

政府兵ら50人超死亡

爆弾攻撃 反政府派は再編模索

シリア

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【カイロ=小泉大介】内戦が激化の一途をたどるシリアで5日、反政府武装勢力による過去最大規模の自動車爆弾攻撃が発生し、政府軍兵士ら50人以上が死亡しました。在外の反政府組織はカタールで機能強化のための組織再編に向けた協議も開始しており、シリア情勢は新たな局面に入ったといえます。

 英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は、50人以上が死亡した5日の自動車爆弾攻撃が起きたのは中部ハマの政府軍施設付近で、イスラム過激組織「ヌスラ戦線」などが実行したとしました。同戦線は主要な反政府武装組織「自由シリア軍」とは一線を画し、失敗に終わったイスラム教犠牲祭期間中(10月下旬)の停戦にも反対の姿勢を明確にしていました。

 シリア国営放送によると、首都ダマスカスでも5日、治安部隊の事務所が集中する地区で自動車爆弾攻撃が発生し、11人が死亡、数十人が負傷。同放送は「テロリストによる仕業だ」と非難しました。

 その他にも5日は政府軍が北部イドリブなどで激しい空爆を行うなど全土で戦闘がつづき、「シリア人権監視団」は、死者は少なくとも192人に上ったと発表しました。シリアでは4日にも200人以上が死亡しています。

 このような状況の中、在外の反政府主要組織「シリア国民評議会」は4日からカタールの首都ドーハで200人以上の参加者による会議を開催し、機能強化と新指導部選出に関する協議を行っています。同評議会は内部での合意が得られれば、国内の反政府組織や武装組織の代表も含めた新たな反政府勢力の統一指導部を設立するため、関係者との話し合いを行うとしています。

 「シリア国民評議会」をめぐっては、これまで欧米やアラブ諸国などが「シリア国民の正当な代表」として承認してきましたが、路線の違いによる内部対立もあり国民の信頼を得ていません。米国のクリントン国務長官は10月31日の会見で、同評議会について「もはや反体制派の明白なリーダーとはいえない」「求められているのは前線でたたかい、死にひんしている人々の代表だ」などと述べていました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって