2012年10月31日(水)
きょうの潮流
「珍紛漢」、あるいは「珍糞漢」。読みは「ちんぷんかん」です。「珍紛漢」に「紛」がもう一つ付き、「ちんぷんかんぷん」に▼いずれも、人がなにをしゃべっているのか分からないこと。漢字で書くと、字面に意味不明な感じがよけい表れます。辞書によれば、いわれに二つの説があるようです▼(1)儒教の学者が使うむずかしい漢語になぞらえた造語(2)訳のわからない外国人の言葉の口まねから生まれた語―。いまでは、ごくふつうの日本語で語っていても、ちんぷんかんぷんはあります▼「捜査、公判活動に特段の問題はなかったが、結果として、無罪と認められるゴビンダ・プラサド・マイナリ氏を犯人として…」。東京高等検察庁の次席検事の話です。15年前に東京電力の女性社員が殺された事件について語っています。問題はなかったが間違った。ちんぷんかんぷんです▼問題があるから間違うと考えて、ふつうでしょう。念には念を入れて調べ、被告の一生を左右する裁判に臨むはずの、検察の仕事ですから。事実は、問題が大ありでした。検察は、無罪の決め手となるDNA鑑定を隠していたか、認めなかったか、どちらかです。鑑定の結果が明かされ、検察の有罪の主張が崩れました▼しかし、次席検事のような論法は珍しくありません。問題はなかったが、結果として原発の事故を招き…。帝国日本は平和を望んでいたが、結果として戦争で大勢が命を落とし…。珍しい紛い物で真相を隠す、責任逃れの「珍紛漢」にご用心。








