「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年10月22日(月)

逃げる田中法相

問われる首相の任命責任

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 田中慶秋法相による違法な外国人献金の受け取りや、暴力団との交際問題が発覚してからすでに2週間以上が経過しています。ところが野田佳彦首相は、対応を本人任せのまま放置しています。田中法相は18日の参院決算委員会を、もともと日程になかった「公務」を理由に欠席。これには、田中真紀子文部科学相も「びっくり仰天。考えられない」と発言しました。19日には閣議も欠席し、前日に続いて参院行政監査委員会も欠席するなど逃げ回ったあげく、「体調不良」を理由に都内の病院に入院しました。田中慶秋事務所の関係者も「体調が悪いとは聞いたことがない」と困惑しており、「病気」などという説明は説得力をもちません。

 逃げ回る田中法相に、野田首相は「検査の状況を踏まえて対応したい」(19日)などと述べただけで、任命権者としての責任を果たそうとしていません。岡田克也副首相は20日のテレビ番組で「入院中であり、病気の状況をよく見極めてどうするか、まずご自身が判断する」などと述べました。党内では「辞任の理由が『健康問題』なら、野田首相の任命責任に発展しなくて済むという打算」との指摘もあります。

 田中法相自身が認めた暴力団との交際は、法務行政のトップに立ち、検察に対する指揮権を有するなど、法と社会正義の維持を担う担当大臣として“失格”の事実です。辞任すべきは当然ですが、何より、このような人物を任命した野田首相の責任が重大です。そもそも田中氏は、法務行政にまったく経験のない素人で、野田首相が改造に関して強調した「内閣の機能強化」とは無関係な、単なる論功行賞=党内グループへのポスト配分の結果です。

 しかし民主党には、「国会での追及もないまま首相が更迭すれば、旧民社党グループから反発が出る」という声もあり、モラルの点でも崩壊状態にあることを示しています。執行部側は、国会で追及を受け、さらに醜態を広げる前に事態の収拾を図る方向で自発的辞任を期待しています。しかし、田中法相は閣僚の地位に固執しており、罷免以外には打開できない状態です。

 (中祖寅一)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって