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2012年10月14日(日)

“自由、社会的公正を”

各地デモ、衝突も

エジプト

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写真

(写真)タハリール広場で「革命」の推進を訴える人々=12日、カイロ(小泉大介撮影)

 【カイロ=小泉大介】昨年はじめの「革命」に託された国民の要求を実現しようと、エジプトの21の政党・グループが呼びかけたデモが12日、全国各地で取り組まれました。首都カイロでは、モルシ大統領の出身母体であるイスラム主義組織・ムスリム同胞団のグループがデモ隊に対して行った暴力的挑発が双方の衝突に発展し、100人以上の負傷者が出る事態となりました。

 モルシ大統領就任から100日が経過した段階での今回のデモは、6月の大統領選挙で健闘したサバヒ氏率いる国民潮流、国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏が党首を務める立憲党、左派の国民進歩統一党(タガンム)などが呼びかけたもの。

 カイロ中心部タハリール広場のデモに参加した会社員の男性、アフメド・ハフェズさん(35)は、「モルシ大統領が就任して以降も物価高が続いているうえ、最低賃金制度がつくられる気配もありません。パン・自由・社会的公正という革命の目標はいまだ達成されていないのです」と語りました。

 また医療労働者の女性、アンジェル・ミハイルさん(25)は、「いま、憲法制定委員会で新憲法草案が議論されていますが、100人の委員のうち女性は一握りで、多くをイスラム主義者が占めています。女性の権利が保障されるためには、声を上げ続けなければなりません」といいました。

 一方、タハリール広場ではこの日、ムスリム同胞団のグループもデモを行い、大統領をたたえるスローガンを叫びました。一部が、「革命」派デモ隊が設置した演壇を破壊し、横断幕を破ったりしたことをきっかけに双方が投石を行い、広場は騒然とした状況となりました。

 ムスリム同胞団報道官は「団員はタハリール広場にはいない」と述べ衝突の責任を全面回避。「革命」派からは「同胞団の強圧的な態度は、ムバラク前政権の国民弾圧のやりかたとまったく同じだ」などの批判が噴出し、深刻な対立が顕在化しました。


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