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2012年10月4日(木)

稼働134全原発に欠陥

EUが耐性評価

地震検知装置ない施設も

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 欧州連合(EU)の欧州委員会は欧州14カ国の原子炉の耐性評価(ストレステスト)を実施した結果、域内の原子炉143基のうち稼働中の134基の原発すべてに「(安全上の)欠陥が見つかった」と指摘しました。2日までに欧州の各国メディアが報じました。

 一方で、欧州委員会は「ほとんど全ての原発で安全性の向上が必要」と結論づけたものの、閉鎖や停止を勧告しませんでした。欧州委員会は10月の中旬にある欧州首脳会議で発表し、各国に対策を迫ります。

 ストレステストは福島第1原発の事故を受け、実施したもの。独紙フランクフルター・アルゲマイネによると、各原発の安全上の欠陥をなくすための対策に、1基当たり3000万〜2億ユーロ(約30億〜200億円)、計250億ユーロ(約2兆5000億円)が必要と試算されています。

 各メディアの報道によると、10基の原発で地震検知装置がなく、フィンランドとスウェーデンの4基では全電源喪失から過酷事故に至るまでの時間が1時間もありません。また、7カ国の原発は電源がなくなったときに、冷却のために必要な移動電源がないと指摘。調査された134基は68カ所に設置されていますが、うち47カ所は10万人以上の人口密集地を30キロ圏内に抱えていると指摘しました。

 独紙ウェルトによると、欧州委員会の報道官は、EUには各国原発の閉鎖を命じる法的な権限はないが、欠陥を公表し、厳しい安全基準を導入することはできると言及。具体的に個々の原発の閉鎖を要求するかどうかは明らかにしませんでした。

 この耐性評価について、非政府組織の環境団体グリーンピースは、亀裂の疑いによるベルギー原発の稼働停止のように、いくつかの原発を直ちに閉鎖する必要があると要求。また、いくつかの原発が都市から10キロ圏内にあるのにもかかわらず、事故が起こった場合の避難計画がないと批判しました。

 ドイツの反原発団体アウスゲシュトラールト(被ばく)の広報担当ヨヘン・シュタイ氏は「航空機墜落が評価から外れた。その危険性を含めるなら、欧州の原発の停止を意味する」とメディアに語りました。 (ロンドン=小玉純一、外信部=片岡正明)


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