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2012年9月30日(日)

尖閣 政府の「領土問題存在せず」論

各界が転換求める

「現実的でない」「日本に損」

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 尖閣諸島の領有をめぐり日中関係が緊張の度合いを増す中、政界、経済界、マスコミ、外交官経験者などから、「領土問題は存在しない」という日本政府の姿勢を転換すべきとの声が出始めています。日本共産党の志位和夫委員長は、「領土問題は存在しない」という立場に固執することで「日本の主張を述べることができないという自縄自縛(じじょうじばく)に陥っている」と指摘。「領土に関わる紛争問題が存在することを正面から認め、冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を堂々と主張し解決を」との提言を発表(20日)しています。こうした主張が、世論に影響を広げつつあります。


もう通用しない

写真

(写真)藤村修官房長官(右)に申し入れる志位和夫委員長(中央)、穀田恵二国会対策委員長=20日、首相官邸

 志位氏の「提言」直後、「領土問題は存在しない、という姿勢を続けるだけで事態を改善できるのかどうか、改めて考える必要がある」(22日付社説)とした毎日新聞。28日付社説でも「中国政府は、日本の国有化に対抗して領海基線を設定して国連に届け出ている。これ以上、日中間に領土紛争が存在しないという立場をとることは現実的でない」と指摘しました。

 28日に放送されたTBS番組「みのもんたの朝ズバッ!」では、出演した「毎日」の与良正男論説委員が、「そろそろ、領土問題は存在しないという言い方ですまないような状況になってきたと思う。どうやら日中は相当深刻な領土問題が発生しているのだと、だんだん分かっているわけですから」と発言。吉越浩一郎氏(トリンプ元社長)も、「国際社会にむけ、日本はこうなんですということを、白黒明確にして言い続けるのが非常に重要だ」と主張しました。

 番組ではその後、首相補佐官(外交・安全保障担当)の長島昭久衆院議員(民主党)が登場。与良氏が、外交官OBのなかでも「領土問題は存在しない」という言い方はもう通用しないという意見が出ているとして、「その言い方は変えたほうがいいんじゃないですか」と詰問すると、長島氏は「私も個人的には思っていた」と述べ、尖閣問題ではしっかり国際広報をする方針転換を行うことを玄葉光一郎外相が言明したと答えました。

明らかに問題だ

 22日放送のNHK番組「双方向解説 そこが知りたい!どうする日本の領土」では、進行役の柳澤秀夫解説委員長が「日本政府は尖閣については領土問題はないという言い方をしているけど、実際にみると、明らかに問題の形となっている」と指摘しました。

 これについて安達宜正解説委員は、「国際社会からみれば領土問題はあると言われているのに日本政府がないないという立場を取り続ければ、逆に中国側の主張が正しいように見られ、日本にとって損になってしまうんじゃないか」と述べ、領土問題があることを認める方針転換で外交交渉をうまく進めることが可能となると主張しました。

少し柔軟態度を

 北京を訪れていた米倉弘昌経団連会長は28日、「中国側が『問題がある』といっているのに対して、日本は解決する意思は全然ないという態度を示していることになる。もう少し柔軟な態度でやっていかないといけない」と発言しました。

 同じく28日まで北京を訪れていたた自民党の加藤紘一元幹事長(公益社団法人日中友好協会会長)は、28日夜のNHKBS放送「ワールドWave」に出演し、米倉氏の発言を紹介し、「領土問題は存在しない」という方針を再検討すべきだとの見解を示しました。


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