2012年9月14日(金)
B型肝炎原告が陳述
“誤解や偏見除きたい”
厚労省検討会
「集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の検証および再発防止に関する検討会」(座長・永井良三自治医大学長)の第3回会合が13日、厚生労働省で開かれ、全国B型肝炎訴訟原告団の原告3人が意見陳述をしました。
検討会は、B型肝炎訴訟の和解をうけて設置されたもの。集団予防接種の注射器使い回しを国が放置して被害を拡大させた経緯の検証と再発の防止のために開かれ、来年3月に検討結果を厚生労働相に提言します。
意見陳述した3人の原告のうち、「原告番号85番」と名乗った九州の30代の女性は、声をふるわせながら、無症候性キャリアーの思いを語りました。
10歳のころ、感染が判明。母子感染でした。年2回、何もなくとも病院で検査を受けます。友人にも打ち明けられず、母を責め、母を責めた自分をまた責める…。母親は52歳で肝がんが見つかり、59歳で亡くなりました。
「自分も同じウイルスだから、母と同じような経過をたどるかもしれない」。子どもたちには幸いにも感染させずにすみましたが、「この子たちの成長をずっと元気に見ていけるだろうか」。不安が胸に押し寄せます。
発症していない被害者の受けた被害は見えにくく、女性は、「私が無症候性キャリアーの実情を訴えて、B型肝炎という病気を多くの人に理解してもらい誤解や偏見を除いていくことに役立つなら」といいます。
検討会は7月の第2回会合以来開かれず、原告団・弁護団の強い申し入れにより、第3回が開かれました。








