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2012年9月12日(水)

原子力規制委 人事決定

野田内閣 国会の同意ないまま

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 野田内閣は11日の閣議で、19日付で原子力規制委員会を発足させ、同日付で田中俊一・元原子力委員長代理を委員長に、更田(ふけた)豊志・日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長ら4人を委員に任命する人事を決定しました。

 さらに、5人の委員は、11日付で内閣官房参与にも任命され、原子力規制庁の職員人事や組織、議事運営等の規則の協議など、発足準備作業を進めるとしています。

 藤村修官房長官は、同日の会見で「法律上9月26日までに原子力規制委員会を設置することとされている。原子力緊急事態宣言中であることも踏まえ、速やかに委員会を立ち上げる必要がある」と述べました。

 国会閉会中の任命は「任命後最初の国会」の承認が必要ですが、緊急事態宣言中の任命(緊急任命)は、「解除宣言」がされるなど緊急を要する事情がなくなったときに承認を得ればよいとされています。


解説

民意と国会に挑戦 規制の独立性失う

 国会の同意を受けないまま原子力規制委の人事を強行―。首相官邸前の行動でも「規制委人事撤回」が求められ、野党のみならず与党内からも反対意見が出ていたために採決できなかった人事を閉会中に強行することは、民意と国会に対する挑戦です。

 規制委人事に対する国会の同意は、同委の民主的運営と、原発の推進機関から独立した原子力安全規制行政を行う重要な担保です。規制機関の「独立性」は、法的な枠組みなどで推進機関から独立であることや、実効性ある権限を持つこととともに、どんな人物が任務にあたるかが極めて重要だからです。

 ところが野田内閣が示した案は、福島事故への反省を口にしながら「人類は原子力をコントロールできる」と公言した田中俊一・元原子力委員長代理を委員長とし、日本原子力研究開発機構の更田豊志氏など、規制委設置法や政府指針の欠格要件である「原子力事業者等」にあたり、違法の疑いがある人物を中心にするものです。

 民主党議員からも「この人事が通るなら離党する」という声が公然とあがっています。8日に閉会した国会では、「造反」を恐れた民主党執行部が採決を見送りました。国会が閉会したからといって、閉会中に首相が任命し次の国会で事後承認を受けるという「例外規定」を持ち出すのは、国会同意の原則を無視する暴挙です。「原子力緊急事態宣言がされている」として、任命後、最初の国会での同意(事後承認)を省略するという抜け道も画策しています。

 政府は被災に苦しみ続ける福島県民の批判をよそに、昨年12月、「原発事故収束宣言」を強行しました。都合のよいときだけ「緊急事態」を持ち出すのは、二重三重に国民を欺くものです。(中祖寅一)


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