2012年9月8日(土)
米民主党綱領に反発
パレスチナ「和平を破壊」
【カイロ=小泉大介】米民主党が先に決定した政策綱領で「エルサレムは現在も将来もイスラエルの首都」と明記したことに関し、パレスチナでは6日、「和平プロセスを破壊するものだ」などと反発する声が相次いで上がりました。
米民主党は全国大会初日の4日に政策綱領を採択しましたが、そこでは従来の「エルサレムはイスラエルの首都」との記述が削除されていました。しかし翌日になって復活の修正案が提案され決議されました。
これに対し、東エルサレムを首都とする独立国家建設を目指すアッバス・パレスチナ自治政府議長のルデイナ報道官は6日、「和平交渉を破壊」し、「終わりのない戦争」に導くものだと厳しく批判。パレスチナ解放機構(PLO)反主流派のパレスチナ解放人民戦線も同日の声明で「ユダヤ票の獲得を狙ったものだ」とする一方、「米国は自らの立場を、国際法と国連決議の枠の外に置いている」と非難しました。
イスラエルは第3次中東戦争(1967年)で占領した東エルサレムを含む「統一エルサレム」を「不可分の永遠の首都」としていますが、国際社会はこれを認めず、米国を含む各国は大使館をテルアビブなどに置いています。
エルサレムをめぐっては、米共和党の大統領候補であるロムニー氏も7月に同地を訪問した際に、「イスラエルの首都」だと演説。同国のネタニヤフ首相が「非常に力強い支援の言葉だ」と歓迎していました。ロムニー氏は米大使館をエルサレムに移すことも主張しています。