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2012年9月6日(木)

米産牛の輸入緩和了承

専門委員の意見押し切り

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 米国産牛肉の輸入緩和を認めた内閣府の食品安全委員会プリオン専門調査会。議論では、専門委員からさまざまな意見が出されました。(君塚陽子)


「飼料規制弱いのでは」 「30カ月、担保可能か」

 焦点は飼料規制と検査体制です。

 ある委員は、「対策で重要なのは、飼料規制とその順守状況。その点で米国は導入時期も遅く、(順守も)弱い部分がある」と指摘しました。

 また、従来のBSEとは別の「非定型BSE」が日本や米国でも発見されています。原因が不明のため、「引き続きサーベイランス(監視体制)が重要」と強調する委員もいました。その点で事実上、全頭検査を続けている日本と、と畜牛の0・1%程度の検査しか行っていない米国とはあまりにも安全対策が違います。

 そもそも今回、30カ月で線引きするにあたって、識別システムが不十分な米国で「『30カ月以下』といっても担保できるのか」との発言もありました。

 こうした意見を押し切っての結論でした。

 食の安全にとって、不明なリスクがある場合には、「予防原則」の立場で厳しい措置をとることが大切です。しかし、このまま輸入再開が決まれば、BSE病原体が蓄積するため、これまでは全ての牛から除去していた特定危険部位を含む肉が、米国からやってきます。

 米国の要求は、月齢緩和にとどまりません。先月、野田首相と会談した米上院のボーカス委員長は「輸入制限の最終的な撤廃」を求めました。呼応するかのように専門調査会も「さらに月齢を引き上げた際のリスクを評価する」としています。

 食の安全・安心より米国優先・追従の姿勢は国民の命、健康を危険にさらすことです。


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