2012年8月29日(水)
裁判に向け聞き取り
カルテないC型肝炎 県内から80人超 北九州
出産時に輸血、医院はすでになく…
出産や手術で汚染された血液製剤などの投与を受けながら、カルテがないため放置されている薬害C型肝炎患者の救済をめざす裁判で、提訴に向けた弁護士による聞き取りが28日、北九州市内で行われました。「カルテがないC型肝炎訴訟原告団・北九州」の主催。福岡県内から80人以上が訪れました。
東京地裁に12月末提訴するために訪れた女性(68)=福岡市早良区=は「30年前に下の子の出産時、大量の出血があり輸血を60本受けました。それからずっと体がきつくて。半年ぐらい入院したこともありますが、肝炎と診断されたのは2〜3年前です」と語りました。出産した産婦人科医院はすでになく、カルテ入手は不可能といいます。
薬害の危険性が指摘されながら販売をやめなかった国と製薬会社の責任を認定した「薬害肝炎救済法」は来年1月までの時限立法。その後は救済の道が断たれてしまうため、カルテのない患者約520人が一律救済を求めて提訴しています。
原告団事務局長の佐藤静子さんは「加害者は国なのに、私たち被害者が投与を証明しなければならないのは本当に理不尽です。私も肝がんを患い余命3年と宣告されていますが、このままでは死にきれません。救済を勝ち取るまでみなさん頑張りましょう」と呼びかけました。