2012年8月29日(水)
発達障害者支援して
井上議員が徹底求める
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日本共産党の井上哲士議員は28日の参院法務委員会で、刑務所等を退所した発達障害者への支援充実とともに最高裁がその特性などの周知・徹底を図ることを求めました。
井上氏は、発達障害の一種であるアスペルガー症候群を有する42歳の男性が実姉を刺殺した殺人事件で、大阪地裁が求刑の16年を超える懲役20年の実刑判決を出したことに対し日本自閉症協会や日本発達障害ネットワーク、日弁連などの団体が「発達障害の特性を理解せず差別を助長するもの」などと批判していることを指摘。判決が「社会的に被告人のアスペルガー症候群に対応できる受け皿がなんら用意されていないし、その見込みもない」としていることをただしました。
刑務所等を退所した発達障害者について、法務省の青沼隆之保護局長は「地域生活定着支援センターと連携し、必要な福祉サービスにつなげるために特別調整を行っている」と述べ、厚労省の西藤公司審議官は「全都道府県でセンター設置が完了し、効果的、広域的な調整を行う体制が整った」と答えました。
井上氏は「矯正施設に長い間収容しても、反省が深まる支援は用意されていない一方で、発達障害者支援法の成立以降、社会の受け皿は整備されてきている。判決の認識は間違っている」と指摘しました。
滝実法務相は「受け皿が用意されるような努力をしている」と明言。井上氏は「控訴審で事実に即して適切な判決がされることを信じたい」と述べました。
同委員会は、裁判所職員定員法改正案を全会一致で可決しました。