「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年8月26日(日)

農村でも格差広がる

ジニ係数 警戒ライン接近

出稼ぎの有無が分岐点

中国

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【北京=小寺松雄】所得格差を示すジニ係数が、中国農村部でも、警戒ラインとされる0・4に近付いていることが大学研究機関の調査で分かりました。農村のジニ係数は都市と農村を含めた全国数値ほど高くないと言われてきましたが、農村にも格差が押し寄せていることを示しています。

大学機関調査

 この調査は、湖北省にある華中師範大学農村研究院がまとめ、21日に発表しました。同研究院が約6000世帯の過去3年間の現金収入を調べたもので、農村独自のジニ係数算出は初めてだといいます。

 それによると、中国農村住民のジニ係数は昨年0・395に達し、0・4に迫っています。所得が最も高い20%の農家と最も低い20%の農家の1人当たり所得格差は約10倍になっています。

 所得上位20%の農家の89%は出稼ぎ農家ですが、所得低位20%の農家では出稼ぎ農家の占める割合は18%にすぎません。出稼ぎをしているかどうかが所得格差の主要要因でした。

 同研究院は「農村の所得格差拡大には中国社会の工業と農業の差が集中的に表れている」と分析。「農民に平等な雇用機会を与え、現代農業を発展させ、農村の社会保障を強めて、貧富の格差の拡大を防ぐ必要がある」と訴えています。

 中国全体のジニ係数は、国家統計局が2000年に0・412と発表したのが最後で、その後は公式には出されていません。

 10年以上もジニ係数が発表されていないことについて、馬建堂国家統計局長は今年1月、「高額所得者の実態がつかめず、数値が出せないから」と説明しています。


 ジニ係数 イタリアの統計学者、コッラド・ジニが考案した所得格差を測るための尺度の一つ。0に近いほど格差が小さく、1に近いほど格差が大きい。社会の不安定が生じる警戒ラインは0.4とされます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって