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2012年8月22日(水)

主張

グアムでの共同訓練

米軍支援の戦争準備やめよ

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 陸上自衛隊と沖縄駐留の米第3海兵遠征軍が21日から9月26日まで約5週間、アメリカの戦略拠点であるグアムとテニアンで初の「島嶼(とうしょ)防衛」訓練を行います。

 今回の訓練は、4月の日米安全保障協議委員会(2プラス2=外務軍事閣僚協議)の合意にもとづいて、「日米の『動的防衛協力』の促進も考慮」(陸自)するものです。合意をうけた具体化の第1号です。日本の島を防衛するのではなく、米軍の戦略拠点であるアメリカの島嶼を守る訓練に自衛隊がふみだすのは重大です。憲法に違反する、日米軍事同盟の侵略的変質を許すことになります。

危険な「動的防衛協力」

 グアム島は攻撃型原潜も戦略爆撃機も配備され、米軍の陸・海・空・海兵隊の4軍が集中するアメリカにとっての一大拠点です。近くのテニアン島も空母艦載機の離着陸訓練のための基地整備をはじめ米軍による基地強化がはかられています。グアムもテニアンもアジア太平洋地域を重視するアメリカの軍事戦略の拠点です。「共同訓練」といいながら自衛隊がアメリカの戦略拠点を防衛するなど、その危険性は明らかです。

 「2プラス2」の合意文書は「2国間の動的防衛協力が抑止力を強化する」として、日米共同訓練、共同の警戒監視・偵察活動、基地の共同使用などを進めることをうちだしました。自衛隊がアジア太平洋地域で米軍との共同訓練などを行うことを通じて、日米の軍事力を誇示し、アメリカの軍事戦略を支えるのが狙いです。

 自衛隊がいつでもどこにでも出動するという「動的防衛力」の概念は、2010年12月の「防衛計画大綱」で、それまでの「基盤的防衛力」構想にかえて、民主党政権が導入したものです。もともとはアメリカが求めた、際限のない軍拡を可能にするものです。日米の「動的防衛協力」は、その「動的防衛力」を使ってアメリカを支援する、新しい危険な企てにほかなりません。

 「動的防衛協力」は平時の戦略ですが、平素から緊急事態に至るまで「迅速かつシームレス(切れ目なし)」に自衛隊が米軍を支援するというのが政府の方針です。野田佳彦首相はこの方針をふまえて5月の日米首脳会談のさいオバマ米大統領とだした共同声明で、「地域の多様な緊急事態に日米同盟が対応」すると合意しました。

 「緊急事態」と称する、軍事的対決に発展しかねない危険な事態が生じても、「動的防衛協力」だといって自衛隊が警戒監視や偵察活動を続ければ、日本が攻撃されなくても、戦争に参加した米軍を自衛隊が支援する集団的自衛権の行使に発展しかねません。「憲法違反」が明白な集団的自衛権の行使につながりかねない米軍支援の企てはやめるべきです。

安保廃棄めざしてこそ

 日米の「動的防衛協力」は、日米軍事一体化をつよめ、自衛隊が海外でアメリカとともに戦争する態勢づくりを加速させることになります。日米安保条約=日米軍事同盟の強化が、日本の平和と安全を危険にすることがいよいよ明らかです。

 日米の「動的防衛協力」のための危険な共同訓練はやめるべきです。軍事同盟の強化を許さず、安保条約廃棄の声を大きくしていくことが重要です。


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