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2012年8月17日(金)

沖縄に枯れ葉剤保管

ベトナム戦争時 米陸軍文書に明記

日本政府の説明を覆す

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 米軍がベトナム戦争時に使用していた枯れ葉剤=「オレンジ剤」(HO)が、沖縄が日本に復帰する1972年まで同県内に保管されていたことを明記した米陸軍文書が発見されました。英字紙ジャパン・タイムス7日付でジョン・ミッチェル記者が明らかにしました。

 沖縄に駐留していた米退役軍人が枯れ葉剤の使用で健康被害を受けたとする証言は相次いでいましたが、沖縄への保管を明記した文書が明るみに出たのは初めてです。

 外務省はこれまで沖縄での枯れ葉剤の使用や保管を否定。今年5月にもテレビ局からの照会に対して「米側からは、沖縄における枯葉剤の保管や使用、若しくは沖縄を経由して枯葉剤が運搬されたことを裏付ける記録は確認できなかった旨の説明を受けている」と回答しています。今後、日米両政府の説明責任が問われます。

 文書は米陸軍省化学物質庁(CMA)が2003年に出版した「ジョンストン島の環境評価」で、米軍がかつて化学兵器を保管していた太平洋の米領ジョンストン島の浄化に関する報告書です。

 この中に、「1972年、米空軍は元々ベトナムにあり、沖縄に保管されていた55ガロン(約209リットル)入りドラム缶2万5000本分の化学オレンジ剤(HO)をジョンストン島に運び込んだ」との記述があります。

 また、移送中にジョンストン島の土壌に25万ポンド(約113トン)が流出する事故が発生。さらに、これらの枯れ葉剤は77年、洋上で焼却処分されました。

 ベトナム戦争で枯れ葉剤は、ベトナム解放戦線の隠れ家であるジャングルを絶滅させるために南ベトナムの広範囲にわたって空中散布されました。これには猛毒のダイオキシンが含まれており、がんの発生や奇形・免疫の異常など深刻な健康被害がベトナムの兵士や住民に発生しています。米国は今月9日、初めてベトナム国内での枯れ葉剤除去に着手しました。


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