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2012年8月15日(水)

作家・詩人向けの年金制度始まる

アルゼンチン首都

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 南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、作家や詩人など文学関係者向けの老齢年金制度が初めて導入され、最近運用が始まりました。作家らは歓迎の声を上げるとともに、国政与党が提出している作家向け老齢年金を全国的な制度として広げる法案にも支持を表明しています。(菅原啓)


全国にも拡大へ

 報道によると、対象となるのは、60歳以上の小説家、詩人、脚本作家など。ブエノスアイレス市内在住で、原則として、名の通った出版社から少なくとも5冊以上の本を出版していることなどの条件があります。

 米紙ニューヨーク・タイムズ12日付によると、これまでに80人を超える作家らが受給を認められ、月約900ドル(約7万円)の年金を受け取っています。

 作家向け老齢年金制度の市条例が市議会で成立したのは、2009年末でした。右派のマクリ市長の与党は反対しましたが、国民生活向上を重視するフェルナンデス大統領の国政与党が推進し、賛成多数で可決されました。

 条例は、作家を「社会を支える背骨」として強めることを目的に掲げています。受給者の一人、ホラー小説作家のアルベルト・ライセカ氏(71)は「(作家への年金支給の)プログラムは、文学に生涯をささげてきたわれわれに尊厳を与えてくれる、すばらしいものだ」と歓迎しています。

 同国のフェルナンデス政権はこれまでに、200万人を超える非正規労働者に新たに年金支給枠を拡大してきました。与党議員団は先月、作家向け老齢年金を全国的な制度に拡大する法案を大統領に提出しています。

 推進者のフアン・アルロス・フニオ下院議員は、国会では与党が多数を占めていることから法案の可決について「非常に楽観視している」と語っています。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、こうした動きを伝えながら、「欧州諸国が緊縮策を議論する一方で、アルゼンチンは自国のもの(制度)を深めつつある」と指摘しています。

 地元紙によると、アルゼンチン作家協会もこの法案に積極的です。10日には北部サルタで作家向け年金の実現を求める集会を開くなど、各地で推進の運動が強まっています。


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