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2012年8月12日(日)

南シナ海安定「共同責任」

中国・インドネシア声明

行動規範の締結 ASEANと協力

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 【ハノイ=面川誠】中国の楊潔篪(ようけつち)外相は10日、訪問先のインドネシアの首都ジャカルタでユドヨノ大統領、マルティ外相と相次いで会談しました。両外相は共同報道声明を発表し、「南シナ海の平和と安定の維持は域内すべての国の共同責任」と強調。領有権争いの平和的解決のために「『南シナ海行動規範』(COC)の締結に努力する」ことで一致しました。

 楊氏は会議後の記者会見で、2002年に東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が署名した南シナ海行動宣言(DOC)の「全面的、実効的履行」のために「インドネシアと他のASEAN諸国と協力していく」と強調。さらに「いずれは行動規範の締結に向かう」と述べました。

 一方、マルティ氏は「南シナ海は極めて困難な問題であり、ASEANと中国の緊密な協力が必要だ」と指摘した上で、「中国外相と話し合った結果、私は外交が軌道に乗っていることを確信した」と述べました。

 ASEANは先月9日の外相会議で、一部加盟国と中国の間で領有権争いが続く南シナ海をめぐる文言調整が難航し、共同声明が採択できませんでした。マルティ外相の仲裁外交で20日、「南シナ海に関する6原則のASEAN外相声明」に合意。中国との話し合いに臨む立場の足並みをそろえました。

 6原則は▽2002年にASEANと中国が領有権紛争の平和的解決などで合意した「南シナ海行動宣言」の全面履行▽法的拘束力を持つ「南シナ海行動規範」の早期締結▽国連海洋法条約の順守▽武力の不行使―などから成っています。

 中国が行動規範締結を長期的な展望としているのに対して、ASEAN側は今年中の締結が目標。マルティ外相は8日、南シナ海の平和と安定に向けた「集団的で共同の取り組みを早期に行わなければ、緊張がさらに高まる恐れがある」と危機感を表明しています。

 これに対し中国側は、南シナ海の領有権問題は「中国・ASEAN間の課題ではなく、中国と当該国との課題だ」との立場をとってきました。

 外相会談に先立ち楊氏と会談したユドヨノ大統領は、行動規範締結に向けた準備をASEANとの間で進めるよう要請。会談に同席したテウク大統領外交特別補佐官は記者団に、「中国の反応は肯定的だった」と述べました。


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