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2012年8月11日(土)

食料高騰

トウモロコシ23% 小麦19%

国連警告 危機再燃の恐れ

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 国連食糧農業機関(FAO)は9日、世界の食料価格指数が7月、4カ月ぶりに上昇に転じ12・3ポイント増の213・3に達したことを明らかにしました。FAOは、指数上昇は、米中西部の深刻な干ばつを受けたトウモロコシなど穀物価格高騰の影響だとしています。(夏目雅至)

 前月比上昇率は6・1%で2009年11月の7・3%に次ぐ高率となりました。

 食料価格指数は、過去最高となった11年2月の238をわずかに下回っています。しかしFAOは、各国が07年から08年にかけて実施したような食料禁輸措置を取ると、食料危機再燃の恐れもあると警告しています。

 指数は、食肉、酪農品、砂糖、穀物、食用油の食料品5部門55品目の国際価格に基づき02〜04年の平均価格を100として算出されます。

 米シカゴ商品取引所のトウモロコシ先物市場相場は同日、12月物で過去最高値の1ブッシェル(約25キロ)当たり8・2975ドルまで一時上昇。終値は前日比0・00725ドル高の8・2375ドルで、世界的な食料価格上昇を招く可能性が高まっています。

 指数を品目別でみると、穀物価格指数は260で前月比38ポイント(17%)の上昇。過去最高だった08年4月の水準に迫りつつあります。穀物のうちトウモロコシ価格は前月比23%上昇。またロシアでの不作予測で小麦価格は前月比19%上昇しました。

 また値下がりが続いていた砂糖価格は前月比11・7%の上昇に反転。世界最大の砂糖輸出国ブラジルでの季節外れの降雨でサトウキビの収穫が遅れたことなどが影響しています。同じく値下がり傾向にあった食料油も前月比4%の上昇に転じました。

 国際援助団体オックスファム・インターナショナルは、食料価格上昇の背景に、気候変動による自然災害の激増や米国産トウモロコシの40%をバイオ燃料生産に使うという転用政策などがあることを指摘。政策的な転換がないと、食料を輸入に依拠する発展途上国を中心に、多くの人々を新たに飢餓や食料不足に陥れる恐れがあると強調しています。


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