2012年7月27日(金)
水俣病 鹿児島でも30人症状
熊本の医師調査 “潜在患者存在明らか”
公害をなくする熊本県民会議医師団(藤野糺団長)は25日、水俣病救済策対象地域外の鹿児島県内陸部の住民30人に水俣病特有の症状を確認したとの調査結果を発表しました。
調査したのは鹿児島県伊佐市(旧大口市)と湧水町の住民。2005〜12年の検診などでカルテを確認できた住民33人(男性19人・女性14人)中30人に、手足の感覚障害や平衡感覚の異常などの水俣病特有の症状があることがわかりました。
伊佐市と湧水町は1988年に廃線になるまで水俣市と結ぶ旧JR山野線があり、住民らは、鉄道を利用した行商販売の水俣市の魚介類を食べていたとみられます。
記者会見した藤野医師は、山間部の熊本県芦北町黒岩や水俣市越木場と同様に伊佐市でも高い確率で患者が存在したことからも、不知火海沿岸部での潜在患者がまだ多数存在することは明らかと指摘。「国が水俣病特措法による救済申請を7月末で打ち切る行為は『あたう限り被害者を救済する』とした法の精神からしても間違い」と批判しました。
高岡滋医師は、国に対し、全容究明のための健康調査を実施するよう改めて求めました。
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