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2012年7月22日(日)

行動規範を早期締結

南シナ海問題 ASEANが声明

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 【ハノイ=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)は20日、「南シナ海に関する6項目原則についての外相声明」を発表しました。9日の外相会議で合意できなかった共同声明に代わるもので、南シナ海行動規範(COC)の早期締結などから成っています。

 6項目は、(1)ASEANと中国が2002年に合意した南シナ海行動宣言(DOC)の完全履行(2)2011年の行動宣言履行指針の履行(3)法的拘束力を持つCOCの早期締結(4)国連海洋法条約の原則の全面的尊重(5)自制の発揮と武力の不行使(6)国連海洋法条約を含む国際法の原則に基づく紛争の平和的解決。東南アジア友好協力条約(TAC)とASEAN憲章に沿って、これらの原則を実践するとしています。

 9日の外相会議では、フィリピンと中国の艦船にらみ合いが続いたスカボロー礁や、ベトナムが主張する排他的経済水域(EEZ)内の石油・ガス開発を中国が進めようとしていることが論議されました。フィリピン、ベトナムはこれらの問題を共同声明に盛り込むよう求めましたが、議長国カンボジアが拒否し、史上初めて共同声明に合意できませんでした。

 インドネシアのマルティ外相が仲裁に乗り出し、18日から19日までフィリピン、ベトナム、カンボジアを訪問。今回の声明をまとめました。

 同外相は20日の記者会見で、「ASEANは団結を維持した。ASEANは今後も、この地域で中心的かつ運転席の役割を果たせる」と述べ、「困難はあったが、われわれ(ASEAN)は今回の事態によって成長し、より賢明になった」と強調しました。

 シンガポール外務省は声明を発表し「外相会議で共同声明の合意に失敗したことによる傷を治すことに寄与する」と歓迎しました。

 カンボジアのホー・ナムホン外相は外相声明発表の記者会見で、「スカボロー礁、EEZを盛り込めば中国との関係で問題を起こす」と主張。6項目は外相会議でも提案されたと述べ、「なぜ二つの国(フィリピンとベトナム)は反対し続けたのか。おそらく、舞台裏でカンボジアに敵対する計画があったのだ」と不信感をあらわにしました。

 これに対してフィリピン外務省高官は、「われわれはスカボロー礁が論議されたことを明記することを求めたのであり、われわれの立場を支持しろと言ったのではない」と指摘。ベトナム外務省はウェブサイト上で「主催国カンボジアの拒否で共同声明合意に失敗した」と改めて批判しました。


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