「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年7月19日(木)

主張

参院特別委審議入り

やってはならない消費税増税

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 社会保障と税の「一体改革」関連法案の審議が、参院の特別委員会で18日から始まりました。

 国民の多数が反対する消費税増税を自民、公明両党との談合で強行しようとしている野田佳彦首相は改めて「一体改革は待ったなし」と法案の成立を訴えています。

マイナス成長への転落

 内閣府が9日に発表した6月の「景気ウォッチャー調査」によると、各分野で景気判断が悪化しています。いまでも「客の財布のひもが固い」うえに、「衆議院で消費税増税法案が可決されたので、さらに財布のひもが固くなる」(商店街、沖縄)―。調査の対象になった人の景気判断の理由を見ると、とくに景気の先行きに対して消費税増税への不安が広がっていることが示されています。

 所得が減ってボーナスも前年割れ、そこに消費税増税を押し付ける民主党政権と自公のやり方は、経済運営の常識では一番やってはならないことです。

 民間研究機関の試算によると消費税増税前の来年度は駆け込み需要が起き、経済成長率を0・7%押し上げます。しかし、2014年度には駆け込み需要の反動減と消費税増税による実質所得の低下で成長率にはマイナス2・1%もの影響が出るとしています。15、16年度もマイナスの影響が続きます。(13日、ニッセイ基礎研)

 大きな駆け込み需要と反動減が起きるのは消費を直撃する消費税増税の特徴です。駆け込み需要の後に激しく落ち込むことがわかっているため、企業は人にも設備にも新たな投資を振り向けようとしません。企業は不安定雇用の増減で対応しようとし、駆け込み需要が終わりに向かうと同時に不安定雇用の大量解雇が起きる危険があります。消費税増税は雇用の“使い捨て”を広げ、ワーキングプア(働く貧困層)を拡大し、さらには生活保護を必要とする人を一気に増やす最悪の増税です。

 消費税法で消費税の納税義務を負わされているのは事業者です。中小企業団体の調査によると、売上高5千万円以下の事業者の約7割が10%に増税されると消費税分を販売価格に転嫁できないと答えています。転嫁できなければ身銭を切るか廃業かの窮地に追い込まれます。政府は円滑に転嫁できるよう対策を取るといいますが、消費税導入以来の23年間に実施して効果のなかったような対策しか出てきません。

 国民への負担増は13・5兆円の消費税増税にとどまらず、年金削減をはじめとする社会保障の負担増を合わせると総額20兆円にも及びます。経済成長率がマイナスに転落することは避けられず、家計と雇用の悪化、中小企業の倒産・廃業の増加によって厳しく長期にわたる不況が予想されます。

消費税に頼らない道を

 野田首相は18日の参院特別委員会で、財政への信認を失って金利が急上昇することを防ぐためにも消費税増税が必要だと説明しています。経済が悪化し経済規模が縮小すれば税収も減り、経済規模に対する財政赤字の規模も相対的に大きく膨らみます。消費税増税は財政への“信認”も破壊する最悪の財政再建策です。

 日本共産党は消費税に頼らずに暮らしと経済、財政の再建をすすめる別の道を提案しています。こういう道を探求することこそ政治の果たすべき責任です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって