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2012年7月12日(木)

原発意見聴取会

傍聴名簿 警察に渡す?

保安院室長発言 市民団体が抗議

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 原発の安全性をめぐる意見聴取会で経済産業省原子力安全・保安院が、傍聴を希望する市民のリストを警察に提供していた疑いがあることが11日、明らかになりました。傍聴した市民団体が、提供の事実を指摘して枝野幸男経済産業相らに抗議の申し入れをおこないました。市民団体は、傍聴者の人権侵害であり、個人情報保護の観点からも問題だと批判しています。

 リスト提供の疑いが判明したのは、3日に経産省内で行われた「地震・津波に関する意見聴取会」です。

 この聴取会では、敷地内に破砕帯(断層)の存在が指摘されている関西電力大飯原発について話し合う予定でした。聴取会では、別室での傍聴へと急きょ変更となり、傍聴する市民から不満の声が上がっていました。

 市民団体が10日に保安院に提出した申し入れ書によると、3日の聴取会終了後、報道陣と保安院の小林勝・耐震安全審査室長で以下のやりとりが交わされました。

 記者「傍聴者の方と別会場に決まったのはいつですか」

 小林「昨日の夜ですね。警備の都合上と言いますか、警察からの要望もあったんで…。警察の方には、いつも傍聴人の方の、どういった方が来るかっていう相談をするんですが…。(警察から)そこは警備の都合上、分けていただけないかというようなこともあったんで。夕べ判断しました」

 記者「第18回(今回)だけなぜ変わったんですか」

 小林「傍聴人の方のリストを見てですね」

 記者「傍聴人のリスト? 顔、名前とかそういうことですか」

 小林「ええ、それを見てですね」

 記者「事前告知は(市民に)一切なさらなかった?」

 小林「事前告知はなかったですね」

 本紙が11日、リスト提供の事実を確認したところ、保安院は「担当者が当日、頭が混乱した中で答えたため、そのようなやりとりになったが、警察に提供した事実はない。聴取会のテーマを事前に伝えて、大飯原発が議題になることを相談しただけ」としました。しかし「これまでも聴取会で話し合うテーマを警察に事前に伝えることがあった」と警察と連携していることは認めました。

 3日の聴取会を傍聴した男性(64)は「たくさん傍聴してきたが、別室傍聴の時はとんでもないことを決める時だ。警察が必要なことは一切なく、許し難い行為だ」と批判します。


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