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2012年7月3日(火)

米ダウ社の五輪協賛に毒ガス事故被害者反発

土壌改善・補償 責任を回避

インド

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 【ニューデリー=安川崇】米化学大手ダウ・ケミカルがロンドン五輪を協賛していることに、インドで1980年代に起きた毒ガス漏えい事故の被害者が反発しています。ダウ社が事故の原因企業を買収したにもかかわらず、土壌改善や補償などの責任を回避しているとして、被害者支援団体は国際オリンピック委員会(IOC)に協賛撤回を求めています。

 五輪開幕1カ月前となった6月27日、インド中部ボパールで事故被害者ら約100人が抗議の座り込みを実施しました。参加者は「あと1カ月。早くダウを外せ」などのプラカードを掲げました。

 事故は同地で84年12月に発生。米化学大手ユニオンカーバイド現地子会社の殺虫剤製造工場から猛毒のイソシアン酸メチル30トン〜40トンが漏れ、低所得層の居住地域を汚染。現地マディヤプラデシュ州政府によると約1万5千人が死亡したとされます。

 被害者団体は、これまでに2万5千人が死亡し、10万人以上が後遺症に苦しんでいると説明。土壌と水源がひどく汚染されており、現在も障害を持って生まれる子どもが後を絶たないとしています。

 ダウ社は2001年にユニオン社を買収しましたが、「補償問題はユニオン社とインド側で解決済み」との姿勢を崩していません。被害者らはダウ社側に現地の土壌改善などを求める訴訟を米国の裁判所に提起しており、現在も係争中です。

 ダウ社は枯れ葉剤の主要製造企業としても知られます。ベトナム政府も今年、IOCに同社の協賛撤回を求める書簡を送っています。

 被害者支援団体「ボパール情報と行動グループ」主要メンバーのサランギ氏は「ダウ社は五輪を協賛することで、インドやベトナムで果たしてこなかった自身の責任を覆い隠そうとしている。今回の協賛はオリンピックの精神を傷つける」と語っています。

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