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2012年7月2日(月)

モルシ大統領就任

軍部との関係が課題

エジプト

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 【カイロ=小泉大介】エジプトでイスラム主義組織ムスリム同胞団から立候補し当選したモルシ新大統領が6月30日、同国初の文民大統領として正式に就任しました。これにより、実権を握ってきた軍最高評議会からの「民政移管」が実現しますが、引き続き一部権限を維持する軍部とどのような関係を構築するのか、新大統領に問われます。


 モルシ氏は同日、最高憲法裁判所で宣誓した後、自身が卒業し、教壇にも立ったカイロ大学で就任演説。「われわれはエジプトの歴史の醜いページを閉じ、輝くページを開く」「私は国民とともに革命の目的を追求し、自由、社会的公正、人間の尊厳の実現のため力を合わせる」と宣言しました。

 対外関係についてモルシ氏は、「われわれは革命を輸出しないと同時に、我が国に対するいかなる干渉も許さない」と表明。パレスチナ人民の独立国家樹立、シリア問題の解決のために全力を尽くす決意を示しました。

 一方、軍最高評議会のタンタウィ議長は同日、モルシ氏とともに出席した軍主催の新大統領就任式典で、「自由な選挙によって選ばれた大統領がこの国を統治することになった」と述べ、「民政移管」を表明しました。

 ただ軍最高評議会が6月17日に公布した新「憲法宣言」は、人民議会(下院)が再選出されるまで同評議会が立法権や予算決定権を握ることを可能にしています。就任宣誓も人民議会でなく、議会解散と新「憲法宣言」公布のきっかけを作った最高憲法裁判所で行われ、軍の権限維持を印象づけました。

 モルシ新大統領が軍最高評議会から独立した役割をいかに発揮していくのかをめぐり、国民の視線は当面、首相はじめ新政府の閣僚にどのような顔ぶれを選ぶのかに注がれます。


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