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2012年6月29日(金)

イラク総選挙 前倒しも 首相表明

テロ続発 議会まひ

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 【カイロ=小泉大介】イラクのマリキ首相の「独裁的」姿勢に対する反発により政治的危機が深まるなか、同首相は27日、危機が回避されない場合には再来年に予定される連邦議会(国会、定数325)総選挙を前倒しして実施する立場を表明しました。同国では爆弾テロも止まる気配を見せておらず、国全体を覆う混迷は深刻の度を増しています。

 マリキ首相は27日の声明で、「私に反対する勢力が対話のテーブルにつかず、イラク人民の利益にとって深刻な打撃となる挑発的態度をとることに固執するのであれば、早期の総選挙実施という選択肢を取らざるを得ない」と述べました。

 イラクでは2010年春の総選挙を経て各宗派・民族の政治勢力の連立による「国民統一政府」が樹立されました。しかし、各派への閣僚配分の約束に反し、イスラム教シーア派のマリキ首相がいまも国防相や内務相という重要閣僚を兼務したままとなっています。

 これに対し昨年末の米軍の「完全撤退」を前後して、イスラム教スンニ派の政治勢力の反発が激化し、最近では、首相と同じシーア派の有力者、サドル師の政治グループも首相批判を強めています。まひ状態となった連邦議会は予算以外の法律をほとんど成立させることができない状態に陥っています。

 スンニ派やサドル師のグループはこの間、マリキ首相の不信任案を可決させる動きを活発化。21日にはスンニ派を中心とする政党イラキーヤ幹部のヌジャイフィ連邦議会議長が首相不信任の必要性を強調し、サドル師も24日、改革が行われないなら自身のグループの議員40人が不信任に賛成すると表明していました。

 イラクでは政治的混乱の深まりの一方で治安も悪化の一途をたどっており、27日には首都バグダッドで路肩爆弾などによる複数のテロが発生し、少なくとも12人が死亡、数十人が負傷しました。この2週間だけで爆弾テロによる死者は200人近くに達しています。


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