2012年6月20日(水)
独エネルギー大手
国内外とも原発撤退
建設計画中止を表明
ドイツのエネルギー大手RWEは、政府が2022年までにすべての原発を止めることを決定した国内だけでなく、国外でも新たな原発建設をやめ、原発事業から完全に撤退する方針を明らかにしました。18日付のドイツ各紙が報じました。
南ドイツ新聞によると、15、16日にイスタンブールで開いた同社幹部の会合で、7月に就任するテリウム次期社長が、企業の戦略転換を明示。フィンランドやフランスで進めている原発計画が大幅に遅れていることを挙げ、原発への投資は金融面でのリスクが大き過ぎると述べ、計画からの撤退を表明しました。
同社は3月末、共同で進めていた英国の原発建設から撤退を表明していましたが、テリウム氏は「オランダでも新たな原発建設は計画しない」と言明。現社長が計画していたブルガリアやルーマニアの原発建設も取りやめます。
一方で、同社は太陽光発電に力点を置く方針を示し、北アフリカやスペイン、イタリアなどで太陽光発電に投資する方針を打ち出しました。
ドイツでは、政府の脱原発方針を受け、電機大手のシーメンスが昨年9月、原発製造からの撤退を表明しています。