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2012年6月18日(月)

アートで「サヨナラ原発」

東京・渋谷 “参加しやすく”と横断幕

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写真

(写真)みんなで縫い上げた横断幕をデモの先頭で広げるSAYONARA ATOMのメンバー

 東京・渋谷でこの間行われているツイッターデモでは、ひときわ目を引くカラフルな横断幕が翻ります。放射能で汚染された魚や野菜、動物を題材にした、ぬいぐるみを縫い付けて描かれた「サヨナラ原発」の文字。作製したのは20〜30代を中心にした脱原発ユニット「SAYONARA ATOM(サヨナラ・アトム)」です。

心を動かす

 「もっとみんなが参加できるデモにしたい」。グラフィックデザイナーの宮越里子さん(30)と、妹のSuper‐KIKI(スーパーキキ)さん(27)=アーティスト=は初めてデモに参加した時、そう思いました。自分たちが得意なデザインやアートの力を借りて原発に反対したいと思った二人は、Tシャツやイラスト付きの小旗、原発や放射能に関する情報を集めた小冊子などの「脱原発グッズ」を作り始めました。

 そんな宮越姉妹をデモで見かけ、初めて声をかけたのがデザイナーの新庄哲平さん(29)でした。見る人の心をもっと動かせるようなデモにしたいと思っていた新庄さんは「かわいい、かっこいい、おしゃれという見た目や感性に訴えて原発について考えてもらおうという宮越姉妹の着想がおもしろいと思ったんです」。

 アーティストの栗城亜郁(くりき・あい)さん(26)は最初、「脱原発グッズ」と気づかなかったといいます。「脱原発なのにオシャレでかわいい。自分も何かしたいけれど何をしていいのか分からないと、もやもやしていた時だったので、こうやって表現できるんだとうれしかった」

きっかけに

 根本芽久魅(めくみ)さん(26)=会社員=は「自分がアトムで表現することで、原発のことを話せなかった友達にも自然に伝えられると思いました」。故郷の福島県浪江町の家族は、南相馬市の借り上げ住宅で避難生活を送っています。家族のことで頭がいっぱいだった1年前は行動する気力もなかったという根本さんでしたが、「アトムに出会い、自分でできる何かをしたいと心が決まりました。どう行動していいのか模索している人が一歩を踏み出すきっかけになり、みんなが少しでも未来を考えていけるようになればいいなと思います」。

 誰もが参加しやすいように、脱原発をわかりやすく、いろいろな形で表現したい。そんなアトムの思いがさまざまな出会いを呼び、1年でメンバーは30人ほどに。デモに行く勇気はまだないけれど、という人も、グッズ作りの手伝いなどに参加しています。

 自分たちができることを大切にしたいという宮越さん。「私たちはいろいろなアイデアをしぼることで、原発のない社会に向けて前向きに楽しくたたかっていきます」

 記事 舘野裕子
 写真 栗山萌実


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