2012年6月17日(日)
環境保護へ対案探る
リオ+20前に「人民サミット」開幕
ブラジル
【リオデジャネイロ=島田峰隆】各国の環境団体、労働組合、人権団体など非政府組織(NGO)が集まって環境問題を議論する「人民サミット」が15日、当地で開幕しました。日程は23日まで。20日から始まる「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)にあわせた催しで、環境保護へ向けた市民社会の対案を探ります。
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会場のフラメンゴ海岸には無数のテントやブースが設置されています。気候変動、食糧安全保障、労働者の権利などテーマ別に討論会を開くほか、地球温暖化による海面上昇の被害を告発する写真展なども開かれます。
原子力発電所の建設に反対するブラジルのNGOでつくる「反核連合」のテントでは同日、原発からの撤退を求める討論会が開かれました。
リオ近郊のアングラドスレイスには稼働中の原発があります。ブラジル政府は今年5月、昨年の福島第1原発事故を踏まえて、原発増設計画を凍結しました。
参加者らは、チェルノブイリ事故や福島の事故に触れながら、原発の危険性や再生可能エネルギーの必要性について議論しました。
ブラジル被爆者平和協会の盆子原国彦(ぼんこはら・くにひこ)副会長(72)が広島での被爆体験を発言。「原爆であろうと原発であろうと、これ以上放射能による被害者を出してはいけない」と訴えました。
アングラドスレイスの原発に反対してきたハバエル・ヒベロさん(47)は「福島の事故以来、原発への警戒感が広がっています。再生可能エネルギーの活用など原発以外の計画が必要です」と話していました。