2012年6月17日(日)

大飯再稼働を決定

政府事故検証ないまま

　政府は１６日、原発再稼働問題の関係閣僚会合を開き、関西電力大飯原発３、４号機（福井県おおい町）の再稼働を最終的に決定し、直ちに準備作業に入るよう経済産業省資源エネルギー庁を通じて関電に伝達しました。国会事故調査委員会での福島原発事故の検証も途上で、まともな原子力規制機関も設置されておらず、原子炉メーカー任せのストレステスト（耐性試験）や暫定的な安全基準を根拠とする無謀きわまりない決定です。

　世論の多数が反対する再稼働の強行で、低迷する野田政権の支持基盤がさらに掘り崩されるのは必至です。

　同日、西川一誠福井県知事が首相官邸を訪れ、野田佳彦首相ら関係閣僚と面会。同知事は国による安全対策が約束されたなどとして再稼働への同意を表明しました。これを受け、首相は閣僚会合で「大飯３、４号機を再稼働することを政府の最終的な判断とする」と“宣言”しました。

　枝野幸男経産相は、閣僚会合直後の記者会見で、福島原発事故原因の検証もないなかでの再稼働は原発「安全神話」そのものではと問われ、「いま考えうる対応は最大限とっている」と強弁。自身の「安全神話」への無反省ぶりをあらわにしました。

　一方で枝野氏は、「つねに原子力発電所にはリスクがあり、人間のやることに１００点、完璧はありえない」と発言。国民の不安や疑問に対して開き直りながら、「すべての国民にご理解、ご納得をいただけているわけではない」とも述べ、強い反対世論、抗議行動を押しのけての再稼働決定であることを半ば認めました。

　関電は同日、政府の決定を受け、大飯原発３号機の運転再開のための作業を開始しました。