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2012年6月16日(土)

緊迫国会

民自公 社会保障切り捨て

一層の改悪を合意

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 15日深夜になって民主・自民・公明3党による「修正協議」で、民主党と自民党の“社会保障改悪談合”が合意に達しました。公明党も容認しました。その中身は、もともと民主党の公約からみれば総崩れしていた、後期高齢者医療制度「廃止」と最低保障年金創設の双方を、事実上撤回するもの。民主党政権が旧自公政権の「構造改革」路線と完全に一体化したことを示しています。

 合意によれば、公的年金制度は「財政の現況および見通しを踏まえ」、後期高齢者医療制度は「状況を踏まえ」、どちらも新設する「社会保障制度改革国民会議」で「議論し結論を得る」ことになります。撤回を明記はしませんでしたが、自民党の撤回要求を事実上受け入れた内容です。

 もともと民主党政権は、後期高齢者医療制度の「廃止」を掲げながら、75歳以上の高齢者を差別して重い負担を強いる制度の根幹を残した「新制度」案を提示していました。

 自公両党はそれさえも撤回するよう要求。民主党はこれに応じ、形式的にも「廃止」の看板さえ投げ捨てて、「うば捨て山」の制度を永続させる道を開こうとしています。

 最低保障年金についても、民主党の案は満額支給までに40年以上もかかり、現行制度と同じく支給額が毎年減り続けるなど、最低保障年金の名に値しないことが判明しています。しかし自公両党は、それさえも「ばらまき」だと非難。民主党は最大の看板公約も投げ捨てる方向です。国民への裏切りであり、政権にとって自己否定に等しいものです。

 民主党の政権公約はカケラも吹き飛んでしまうことになります。結局、消費税増税と社会保障削減の「一体改悪」がむき出しとなり、国民に対する背信は極限に達しています。

民主党内から「不満」噴出

 野田佳彦首相が消費税増税のため自民党との協力を優先し、マニフェストを事実上、完全撤回する動きに民主党内で矛盾が拡大しています。

 田中慶秋副代表は15日、輿石東幹事長と国会内で会い、両院議員総会か両院議員懇談会を開催するよう求める国会議員154人の署名を提出しました。馬淵澄夫元国土交通相、山田正彦元農林水産相、近藤昭一元環境副大臣らも幹事長室を訪れ、党内の調整を要求。山田氏は「社会保障を置き去りにして、増税だけをやるのは良くない。民主的なプロセスを踏むべきだ」と述べました。

 同日夜に党本部で開かれた同党議員に対する経過報告会に参加した議員は、「社会保障などの歳出が決まっていないのなら、歳入(税)も国民会議の結論が出てからやればいい。何で今消費税をやらなければいけないのかわからなくなった」と語りました。

 民主党の鳩山由紀夫元首相は15日夕、野田佳彦首相と首相官邸で会談し、「(消費税増税の明記がない)マニフェスト(政権公約)を掲げて(2009年衆院選を)たたかった最大の責任者として、責任の取り方を考えないといけない」と語り、増税関連法案の衆院採決で造反する可能性を示唆しました。

 会期末の21日までの採決方針について鳩山氏は「採決せず、もっと時間をかけてもらいたい」と述べ、会期を大幅に延長し、党内議論を尽くすよう求めました。首相は「野党との協議の最終段階で会期延長を言える段階ではない」と述べました。

 野田首相のマニフェストをかなぐり捨てる姿勢に、党内は中間派からも不満が噴出。14日には鹿野道彦前農林水産相が首相官邸を訪ね、「党内の議論を丁寧に進めてほしい」と首相に要請しました。

 「野田首相はマニフェスト投げ出して増税するなら自民党に行けばいい」という声もあります。

 小沢一郎元党代表はグループの会合(14日)で造反を暗に促しました。会合には約90人の民主党議員らが出席しました。


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