2012年6月14日(木)
憲法起草委を選出
構成にリベラル派反発
エジプト
【カイロ=小泉大介】エジプトの人民議会(下院)と諮問評議会(上院)の合同会議が12日に開かれ、昨年はじめの「革命」後の新憲法(案)を策定する憲法起草委員会の委員100人を投票で選出しました。人民議会のカタトニ議長は「エジプトの全構成員を代表する委員会がついに発足した」と表明しました。
憲法起草委員会の委員は今年3月にいったん選出されましたが、メンバーのうち約7割をムスリム同胞団などイスラム主義者が占めたため、世俗・リベラル派などが反発、行政裁判所も無効の判断を下していました。
今回選出された委員は、人民議会議員、大学教授や裁判官など法律専門家、労働組合幹部、宗教家、青年代表、女性代表などからなり、イスラム主義者の割合は約半分程度となったもようです。
しかし、それでもまだ割合が多いとして、世俗・リベラル派の議員50人以上が12日の合同会議を欠席。イスラム主義者によるイスラム法(シャリア)の押し付けを懸念する声は依然として強く、憲法起草委員会が早期に始動するかは予断を許さない状況となっています。