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2012年6月14日(木)

国連高官「シリアは内戦」

米がロの武器供与批判

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 アサド政権と反体制派の衝突が深刻化するシリア情勢について、国連平和維持活動(PKO)担当のラドスース国連事務次長は12日、記者団に対し、「現状は内戦状態」との認識を示しました。米国はロシアに対して、アサド政権への武器供与中止を改めて要求しています。(ワシントン=小林俊哉、外信部=松本眞志)


 ラドスース氏の発言は、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が7日に述べた「内戦の危機」からさらに踏み込んだもの。政権側の攻撃について「戦車や迫撃砲だけでなく、攻撃ヘリコプターの使用も確認した」と述べ、戦闘の激化を説明しました。

 シリアでは、国連停戦監視団が住民から投石などの襲撃や銃撃を受けるなど、国連主導の調停の枠組みが根本から揺らいでいます。

 クリントン米国務長官は12日、ロシアからシリアに攻撃用ヘリが搬入されるとの情報があると述べ、シリアへの武器供与を中止するようロシア側に要求しました。ワシントン市内での会合で述べました。

 同長官は「(攻撃ヘリ供与は)紛争を劇的に悪化させるものだ」と批判。「(隣国の)トルコにとっても、戦略上、また安全保障上、認められない」として、外部からの武器供与が同地域を不安定化させる要因ともなると指摘しました。

 クリントン氏は、政治解決に向け、シリア問題の国連特使を務めるアナン前事務総長による外交努力への支持を表明する一方、シリアの政治体制の移行に向けた行程表づくりの協議で、ロシア側がさまざまな制約を設けていると指摘。特に、各国間の外交努力にイランを含めるようロシア側が提案している点については、「イランはアサド体制を支持しているだけでなく、宗派間紛争に関与している」として、「重大な間違いだ」と拒否しました。

 反政府派支援のためにトルコが近隣諸国と連携を強めている点については、「今では、(シリア内の)闇市場に多くの武器があり、資金もある。反政府派の能力は高まりつつあるようだ」と分析。一方で、「(実際に)アサド体制によって攻撃を受けている人々を支援するのは、大きな挑戦課題だ」として、困難さも指摘しました。


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