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2012年6月3日(日)

野田首相と自民執行部 急接近

民主党の矛盾 一層深刻に

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 野田佳彦首相は3日に小沢一郎元民主党代表と、消費税増税法案をめぐり2度目の会談を行います。消費税増税の強行姿勢が国民との矛盾を激しくするなか、「増税大連合」内の様相はどうなっているのでしょうか。

 野田首相は30日に小沢氏と会談した後、消費税増税法案を会期内に衆院で採決する意思を固めたといわれます。そのため、自民党との協力による法案成立を狙い、「修正」協議入りを指示しました。1日には輿石東民主党幹事長と会談し、「修正」協議を急ぐよう要請しました。

「協力」を要請

 小沢氏との再会談で野田首相は、同氏に再度「協力」を要請、決裂すれば自民党との連携へ一気に動きだすとみられています。

 一方、自民党は野党なのに、採決日程の明示を迫るという「逆転現象」が起きています。この間、法案賛成・採決への協力条件を次々と緩め、野田首相に「助け舟」を出す姿勢を強めています。

 先月末には「早期採決」を求める態度に急転したうえ、社会保障制度の改革についての「対案」を提示し、民主党との「協議機関」設置を呼びかけ。両党間で隔たりの大きい年金制度や後期高齢者医療制度の見直しなどの論議を先送りし、増税を先行処理する方向も示しました。

 野田首相はこれを評価したうえで、社会保障関連法案の「分離採決」を示唆したと報じられています。(「朝日」1日付)

あうんの呼吸

 法案賛成と引き換えに求め続けていた衆院の解散時期の確約については、石原伸晃幹事長が1日、「話し合い解散はない。あうんの呼吸しかない」と発言。解散の確約を求めない態度に豹変しました。さらに自民党は同日、参院で問責を受けた2閣僚の更迭について、「修正」協議入りの条件とはしないことを確認し、終盤国会への対応を谷垣禎一総裁に一任することを確認しました。野田・谷垣両党首のトップ会談を開き、最終的な詰めを行う態勢を示しています。

 こうした動きはマスメディアでも、「事実上、首相官邸と自民党執行部が連携」(「毎日」2日付)とみられています。

 一方で、首相・自民の連携は民主党内の矛盾を広げています。民主党の輿石幹事長は、採決に突入した場合に造反議員の続出による党分裂の回避を最優先にしているとされ、採決日程についても「協議に入る前に採決の時期を決めろというのは無理だ」と主張しています。政権中枢では輿石氏の更迭も取りざたされているともいわれます。財界言いなりの消費税増税最優先で、政策から党内人事まで変えていくことになれば、党内矛盾は一層深刻になります。

  (中祖寅一)


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