2012年5月29日(火)
ネパール議会が解散
憲法制定できず任期切れ
【ニューデリー=安川崇】ネパール制憲議会は27日深夜、憲法を制定できないまま任期切れを迎え、解散しました。各党の主張の食い違いを埋められませんでした。
バタライ首相は11月22日に新たな制憲議会選挙を実施する方針を明らかにしましたが、他党は反発。流動的な情勢が続く可能性があります。
報道によると、同首相は深夜の国民向けテレビ演説で選挙の実施を発表。「他に選択肢はない。国民に依拠した新たな制憲議会を選出する」と語りました。
選挙までの期間は、引き続き自身が暫定内閣の首相として政権を担当するとも述べました。ただし現行の暫定憲法に再選挙の規定はなく、法的根拠は不明です。ヤダブ大統領は同日、再選挙の方針を承認するかどうかを明言しませんでした。
一方、議会第2党のネパール会議派と第3党の統一共産党、南部の地域政党など主要党派は大統領と面会し、「政府方針は憲法違反だ」として反対する意向を伝えました。
ネパール会議派のパウデル副総裁は現地メディアの取材に、現在の制憲議会が憲法制定作業を続けるべきだと主張。「首相は一方的に選挙の実施を発表した」と批判しています。
制憲議会は2008年に2年の任期で発足しましたが、各党の対立で作業は難航。4回の任期延長で延命してきましたが、昨年11月の最高裁の判断でこれ以上の延長は不可能となっていました。