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2012年5月28日(月)

ロシア与党 デモ規制強化狙う

罰金1000倍の法案提出

反プーチン封じ込め

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 プーチン大統領の就任後も収まらない「反プーチン」デモに対し、与党「統一ロシア」が、下院に抗議デモへの規制強化と罰金の大幅引き上げを提案し、審議が続いています。野党側は、昨年12月の下院選挙で与党の不正行為が発覚して以来、続く抗議デモの封じ込めをねらったものだとして、議会内外で反対を訴えています。

抗議運動続く

 下院選に続き、プーチン氏が当選した3月のロシア大統領選挙でも野党勢力は、「違法があった」と指摘。「合法的な結果ではない」として抗議運動を続けてきました。6日にモスクワで「選挙は茶番だ」「プーチンなしのロシアを」と訴える集会を開催。約2万人が参加しましたが、400人が逮捕されました。野党側はこれ以後、大規模集会を避け、「国民の散歩」と称する無届け集会・デモをインターネットなどを通じて組織。モスクワ市内中心部の路上に野営して、抗議の宣伝活動を続けてきました。

 プーチン政権は、6日のデモ以降、取り締まり強化に乗り出し、多くのデモ参加者が逮捕されています。反政府運動側は6月12日の「ロシアの日」(1990年にロシアが当時のソ連から独立を宣言した日)に、再び大規模デモを計画しています。このような中で、「秩序回復」を主張する与党が、デモ規制強化のための法改正を提案しました。

 報道によると、法案は、これまで1000ルーブル程度だった無許可デモに対する罰金を、参加者は100万ルーブル(約260万円)、主催者は150万ルーブルに大幅に引き上げるという内容です。平均年収の5倍以上の罰金額となります。

 また、逮捕歴のある政治家が集会を主催したり、参加者が仮面をつけることを禁止するなどの規制も盛り込んでいます。法案は15日に審議入りし、与党は6月中に成立を目指しています。

 野党の「公正ロシア」は「国民が抗議集会に参加できなくなる」と反対。日刊紙ベドモスチは、「過剰な取り締まりは、政府と国民の政治的対立を急進化させる」と懸念を示しました。

支持率が低迷

 背景にはプーチン氏の支持率が引き続き低迷し、力に頼らざるを得ない政権側の事情があるとの指摘もされています。

 BBCロシア語放送のニュースサイトによると、ロシアのシンクタンク、戦略研究センターは24日、「プーチン大統領就任後に、政治的危機は深まっている」とするリポートを発表。プーチン氏の支持率はこの2年間で大幅に低下し、50%を下回る状況が続いており、プーチン大統領が安泰のように見えるのは、「国民にとって、プーチン氏以外の選択肢が明確になっていないからにすぎない」と強調しました。

 さらに、まだ、国民の多くは抗議行動を支持するところまではいっていないが、抗議行動は大きな影響力を持ちつつあると分析しています。(片岡正明)


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