2012年5月25日(金)
政府法案 障害者の願いに背
新法へ旗降ろさず
作業所団体がシンポ
|
障害者が働く小規模作業所などでつくる全国組織きょうされん(西村直理事長)は24日、衆院第1議員会館内でシンポジウムを開き、今国会で審議中の障害者総合支援法案について議論しました。
障害者自立支援法廃止後の新法へ向けて「骨格提言」をまとめた政府の審議会の構成員がパネリストを務めました。総合支援法案について、日本障害者協議会の増田一世理事は「介護を家族が担う問題は解決しない」と批判。法政大学の松井亮輔名誉教授は「作業所で働くなど『福祉的就労』を労働としてみなすとした位置づけは見送られた」と述べました。
きょうされんの小野浩常任理事は「厚生労働省は障害福祉を介護保険制度と統合することをあきらめていないから、『骨格提言』からかけ離れた法案を出した」と指摘しました。
きょうされんの利用者部会の林優子部会長は、北海道旭川市で一人暮らしをしています。「骨格提言」が実現したら、「障害を制度で補いながら働き安定した収入を得て、社会の“お荷物”から脱却できる」と語りました。
東京都町田市から来た利用者(60)はフロアから発言。「一番困っているのは利用料です。妻の年収は300万円程度だけど利用料を負担しなければならない。『応益負担』はやめて」と訴えました。
藤井克徳常務理事は「障害は(社会)環境との関係で重くも軽くもなる。一番大きな環境は制度だ」と強調。「『新法をつくる』という旗を降ろさず運動をすすめよう」と呼びかけました。